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全身性エリテマトーデス(SLE)

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全身性エリテマトーデス(SLE)

① 概要(どんな病気?)

  • 自己免疫の異常により、皮膚・関節・腎・血液・中枢神経など多臓器に炎症/障害を起こす全身性疾患。
  • 典型症状:発熱、倦怠感、関節痛、皮疹(蝶形紅斑)、口腔内潰瘍、脱毛など。
  • 病勢(活動性)臓器障害の重症度で治療強度が大きく変わる。

② 治療の考え方(大枠)

  • 目標:再燃を抑えつつ、ステロイドを最小化し、臓器障害を防ぐ。
  • 重要:
    • 日光(紫外線)対策(皮膚症状/再燃の誘因になり得る)
    • 感染対策(免疫抑制療法併用が多い)
    • 妊娠・出産計画(薬剤選択に直結)

③ 薬物治療の全体像(分類)

  1. 基礎治療
      • ヒドロキシクロロキン(HCQ):多くの患者で長期に使用(再燃抑制、皮膚/関節症状など)
  1. ステロイド(副腎皮質ステロイド)
      • 活動性の抑制に有効。重症例で高用量、安定後は漸減し最小量へ
  1. 免疫抑制薬(臓器病変・重症度に応じて)
      • 例:ミコフェノール酸モフェチル(MMF)、アザチオプリン、タクロリムス、シクロホスファミド など
  1. 生物学的製剤
      • 例:ベリムマブ(抗BAFF抗体)など(適応・位置づけは病型/ガイドラインにより)
  1. 対症療法
      • NSAIDs(疼痛/炎症)、PPI等(胃保護)、骨粗鬆症予防、抗血栓療法(APS合併など)

④ 代表薬(例)

カテゴリ代表薬(例)ポイント(例)
基礎治療ヒドロキシクロロキン(HCQ)長期で再燃抑制。眼(網膜)障害リスクのため定期眼科フォロー。
ステロイドプレドニゾロン等有効だが長期高用量は副作用(感染、骨粗鬆症、高血糖、血圧、精神症状など)。できるだけ漸減。
免疫抑制薬(腎炎など)MMF タクロリムス シクロホスファミド臓器病変で選択。血算・肝腎機能・感染、妊娠可否(薬剤ごと)に注意。
免疫抑制薬(維持など)アザチオプリン維持療法で使用されることがある。血算・肝機能、相互作用(例:アロプリノール)に注意。
生物学的製剤ベリムマブ難治例や再燃抑制目的で使用。感染症に注意。

⑤ 併用・フォローで重要な点(薬剤師目線)

  • 感染症:発熱、咳、排尿痛などは早めに受診。ワクチン計画(生ワクチン可否含む)は主治医方針で。
  • 骨の健康:ステロイド使用時は骨粗鬆症対策(Ca/VitD、骨吸収抑制薬などの適応)。
  • 心血管リスク/腎:血圧、脂質、腎機能(腎炎の有無)を継続フォロー。
  • 妊娠・授乳
    • 妊娠希望の有無は早めに確認(禁忌薬・切替が必要な薬がある)。
    • 妊娠中は疾患活動性のコントロールが重要(再燃リスク)。
  • 紫外線対策:皮疹・再燃予防(帽子、長袖、日焼け止め)。
⚠️
ポイント: SLEは「症状が軽い時期」と「臓器障害を起こす時期」の幅が大きい。基本は HCQ+ステロイド最小化 を軸に、臓器病変に応じて免疫抑制薬/生物学的製剤を追加。感染兆候や妊娠計画は早めに共有。