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Ⅱ群:βブロッカー

Ⅱ群:βブロッカー

① 薬効群の概要

Vaughan-Williams分類クラスⅡ群:β受容体遮断により交感神経の心臓刺激を抑制し、心拍数・伝導速度・自動能を低下させる抗不整脈薬群
  • Ⅱ群=β受容体遮断薬(βブロッカー)
  • 代表薬:プロプラノロール(非選択的)、ビソプロロールメトプロロールアテノロール(β₁選択的)、エスモロール(超短時間作用型)
  • 交感神経の心臓刺激を抑制 → 心拍数↓・房室伝導速度↓・洞房結節の自動能↓
  • 主な適応:頻脈性不整脈心房細動のレートコントロール心筋梗塞後の不整脈予防
  • 抗不整脈作用以外にも、高血圧・狭心症・心不全・片頭痛予防など幅広い適応をもつ

② 作用機序

  • β₁受容体遮断(心臓)
    • 交感神経(ノルアドレナリン・アドレナリン)による心臓刺激を抑制
    • 心拍数の低下(洞房結節の自動能抑制)
    • 房室結節の伝導速度低下 → 心房細動で心室へ伝わる興奮を減らす(レートコントロール)
    • 心筋収縮力の低下(陰性変力作用)
  • 非選択的β遮断薬はβ₂受容体(気管支・末梢血管)も遮断 → 気管支収縮・末梢循環不全のリスク
  • 心電図への影響:PR間隔の延長(房室伝導抑制)、心拍数低下

③ 代表薬

代表薬(一般名)先発品例ポイント
プロプラノロールインデラル非選択的β遮断薬(β₁+β₂遮断)。最初に開発されたβ遮断薬。脂溶性が高く中枢移行性がある(片頭痛予防にも使用)。気管支嗘息患者には禁忌(β₂遮断による気管支収縮)。低血糖の症状をマスクする
ビソプロロールメインテートβ₁選択的遮断薬。心不全・心房細動のレートコントロールに広く使用。β₁選択性が高く、気管支への影響が比較的少ない(ただし完全ではない)
メトプロロールセロケン、ロプレソールβ₁選択的遮断薬。心筋梗塞後の二次予防・不整脈予防にエビデンスがある。脂溶性が高い
アテノロールテノーミンβ₁選択的遮断薬。水溶性が高く中枢移行性が低い。腕排泄のため腕機能低下患者では用量調整が必要
エスモロールブレビブロック超短時間作用型β₁選択的遮断薬。半減期約2分。静注専用で細かな調節が可能。手術中の頻脈管理や急性期の不整脈に使用

④ 看護のポイント(観察事項)

  • 心拍数・脈拍:投与前後の心拍数を確認。心拍数50回/分以下では投与を見合わせる(施設基準に従う)
  • 血圧:低血圧に注意。起立性低血圧のリスクもある
  • 呼吸状態:非選択的β遮断薬ではβ₂遮断による気管支収縮・喋息発作の誘発。呼吸音(喘鳴)・呼吸困難の観察
  • 血糖値:β遮断薬は低血糖の症状(頻脈・振戦・発汗)をマスクする。糖尿病患者では特に注意
  • 心不全徴候:陰性変力作用による心不全の悪化(体重増加、浮腫、呼吸苦)。ただし慢性心不全では低用量から開始し予後改善が期待される
  • 急な中止の禁止:急に中止するとリバウンド現象(反跳性の心拍数増加・血圧上昇・狭心症発作)が起こる可能性がある
  • 末梢循環:非選択的β遮断薬では四肢の冷感・レイノー現象の悪化に注意
  • 併用薬確認:Ca²⁺拮抗薬(ベラパミル・ジルチアゼム)との併用で過度の徐脈・房室ブロックのリスク
⚠️
気管支嗘息患者には禁忌(β₂遮断による気管支収縮。β₁選択的薬でも完全には回避できない)。急な投与中止はリバウンド現象を起こすため漸減が必要。低血糖症状のマスクにも注意する。