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Ⅳ群:Caチャネル拮抗

Ⅳ群:Caチャネル拮抗薬

① 薬効群の概要

Vaughan-Williams分類クラスⅣ群:洞房結節・房室結節のL型Ca²⁺チャネルを遮断し、伝導速度と自動能を抑制する抗不整脈薬群
  • Ⅳ群=Ca²⁺チャネル拮抗薬(非ジヒドロピリジン系)
  • 代表薬:ベラパミル(フェニルアルキルアミン系)、ジルチアゼム(ベンゾチアゼピン系)
  • 洞房結節・房室結節のL型Ca²⁺チャネルを遮断 → 伝導速度↓・自動能↓・心拍数↓
  • 主な適応:発作性上室性頻拍(PSVT)の停止心房細動・心房粗動のレートコントロール
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重要:ジヒドロピリジン系(ニフェジピン・アムロジピン等)は血管選択性が高く、洞房結節・房室結節への作用が弱いため、抗不整脈薬としては使用しない。Ⅳ群に分類されるのはベラパミルとジルチアゼムのみ。

② 作用機序

  • L型Ca²⁺チャネル遮断(洞房結節・房室結節)
    • 洞房結節・房室結節は Ca²⁺チャネル依存性 の緩やかな脱分極を行う(Na⁺チャネルを持たない)
    • Ca²⁺チャネルを遮断することで:
      • 洞房結節の自動能を抑制 → 心拍数↓
      • 房室結節の伝導速度を低下 → 房室結節を含むリエントリーの遮断
  • PSVTの停止機序:PSVTの多くは房室結節を含むリエントリー回路であり、房室結節の伝導を抑制することで回路を遮断し頻拍を停止させる
  • レートコントロールの機序:心房細動では心房から多数の興奮が房室結節に到達するが、房室結節の伝導を抑制することで心室へ伝わる興奮を減らし、心拍数をコントロールする
  • 心電図への影響:PR間隔の延長(房室伝導抑制)、心拍数低下

③ 代表薬

代表薬(一般名)先発品例ポイント
ベラパミルワソランフェニルアルキルアミン系PSVTの停止に最も有効。心筋抑制作用が強い(陰性変力作用・陰性変時作用)。心不全患者には禁忌。WPW症候群を伴う心房細動には禁忌(副伝導路を介した心室細動を誘発するリスク)。便秘が副作用として多い
ジルチアゼムヘルベッサーベンゾチアゼピン系。心房細動・心房粗動のレートコントロールに使用。冠動脈拡張作用もあり、狭心症(特に冠攣縮性)にも使用される。ベラパミルより心筋抑制作用はやや弱く、血管拡張作用も併せもつ

④ 看護のポイント(観察事項)

  • 心拍数・脈拍:投与前後の心拍数を確認。過度の徐脈(心拍数50回/分以下)に注意
  • 血圧:血管拡張作用による低血圧に注意。特に静注時
  • 心電図モニタリング:PR間隔の延長、房室ブロックの出現がないか確認
  • 心不全徴候:ベラパミルは陰性変力作用が強く、心不全の悪化(体重増加・浮腫・呼吸苦)を観察
  • 消化器症状:ベラパミルで便秘が高頻度に出現。排便状況の確認と綾下薬の準備
  • WPW症候群の確認:WPW症候群を伴う心房細動にベラパミルは禁忌(副伝導路を介して心室細動を誘発するリスク)
  • 併用薬確認:β遮断薬との併用は過度の徐脈・房室ブロック・心不全のリスクが高い。ジゴキシンとの併用でも徐脈が増強される
⚠️
ベラパミルは心不全患者に禁忌(強い陰性変力作用)。WPW症候群を伴う心房細動にも禁忌(副伝導路を介した心室細動誘発のリスク)。β遮断薬との併用は過度の徐脈・房室ブロックのリスクがあるため慎重に。