緩徐に投与する注射剤

① シリンジで緩徐に投与する注射剤(IV push)

※急速投与で 循環・神経系の副作用が出やすい薬
薬剤主な理由投与の目安
フロセミド(ラシックス)急速投与で難聴(耳毒性)20 mgを1~2分以上
カルシウム製剤(グルコン酸Caなど)急速投与で不整脈・心停止ゆっくり静注
硫酸マグネシウム急速投与で呼吸抑制・低血圧ゆっくり静注
ジアゼパム急速投与で呼吸抑制2分以上
フェニトイン急速投与で低血圧・不整脈≤50 mg/min
看護観察
  • 血圧
  • 呼吸
  • 心電図
  • 意識レベル

② 点滴で緩徐に投与する注射剤

※急速投与で 特有の反応(infusion reaction) が出る薬
薬剤主な理由投与の目安
バンコマイシンRed man症候群1時間以上
アンホテリシンBinfusion reaction(発熱・悪寒)数時間
ニトログリセリン急激な血圧低下持続点滴
KCl致死性不整脈点滴希釈
Mg製剤呼吸抑制点滴
看護観察
  • 血圧
  • 発疹
  • 呼吸
  • 心電図

急速投与すると危険な注射薬

なぜ危険なのかを知ろう

なぜ危険?

① 心臓が止まる・不整脈

心電図モニターが重要

KCl

💀 最重要
<電解質製剤>

どんな時に使う?

  • 低カリウム血症
  • 利尿薬使用中
  • 下痢・嘔吐
原則
✅ 希釈して点滴
❌ 急速静注禁止

カルシウム製剤

<電解質製剤>

どんな時に使う?

  • 低カルシウム血症
  • 高カリウム血症
  • 輸血時のクエン酸中毒

フェニトイン

<抗てんかん薬>

どんな時に使う?

  • てんかん重積状態

② 血圧が急激に下がる

循環器系への影響

ニトログリセリン

<硝酸薬>

どんな時に使う?

  • 狭心症
  • 急性心不全

Mg製剤

<電解質製剤>

どんな時に使う?

  • 子癇予防
  • 重症喘息
  • 低Mg血症

③ 呼吸が止まる

中枢神経抑制

Mg製剤

<電解質製剤>

どんな時に使う?

  • 子癇予防
  • 重症喘息
  • 低Mg血症

ジアゼパム

<ベンゾジアゼピン系抗不安薬/抗けいれん薬>

どんな時に使う?

けいれんを止める

  • てんかん発作
  • てんかん重積状態

強い不安を抑える

  • 不安・興奮状態

アルコール離脱症状

  • 振戦
  • せん妄

④ 耳が聞こえなくなる

耳毒性

フロセミド

<ループ利尿薬>

どんな時に使う?

  • 心不全
  • 浮腫
  • 腎不全
国家試験で有名

⑤ アレルギー様反応

infusion reaction

バンコマイシン

<抗菌薬>

どんな時に使う?

  • MRSA感染症
症状
  • 顔面紅潮
  • 発赤
  • 掻痒感

アムホテリシンB

<抗真菌薬>

重症真菌感染症

  • カンジダ症
  • アスペルギルス症
  • クリプトコックス症

覚えておきたい最重要5剤

覚えること代表薬
心停止KCl
不整脈Ca
呼吸抑制Mg
難聴フロセミド
Red Man症候群バンコマイシン
 
薬剤主な適応急速投与で起こること
KCl低K血症心停止
Ca製剤低Ca血症不整脈
Mg製剤子癇・喘息呼吸抑制
フロセミド心不全・浮腫難聴
ニトログリセリン狭心症血圧低下
バンコマイシンMRSARed Man症候群
フェニトインてんかん不整脈