Ⅲ群:Kチャネル遮断
- Ⅲ群=K⁺チャネル遮断薬
- 代表薬:アミオダロン、ソタロール、ニフェカラント
- K⁺チャネル遮断 → 第3相の再分極を遅延 → 活動電位持続時間(APD)延長・有効不応期(ERP)延長
- リエントリーの成立を阻止する
- 主な適応:致死的心室性不整脈(心室頻拍・VT、心室細動・VF)、心房細動(AF)
- K⁺チャネル遮断
- 第3相のK⁺流出を抑制 → 再分極が遅延
- APD延長 → 有効不応期(ERP)の延長
- リエントリー回路の成立を阻止
- アミオダロンはⅠ〜Ⅳ群すべての作用をもつ マルチチャネルブロッカー
- 心電図への影響:QT間隔の延長(K⁺ch遮断による再分極遅延)
- QT延長 → Torsades de Pointes(TdP:多形性心室頻拍) を誘発するリスクあり
| 代表薬(一般名) | 先発品例 | ポイント |
|---|---|---|
| アミオダロン | アンカロン | Ⅰ〜Ⅳ群すべての作用をもつマルチチャネルブロッカー。致死的不整脈(VT・VF)に対する最終手段。半減期が非常に長い(約40〜55日)。重篤な副作用:間質性肺炎、甲状腺機能異常(ヨウ素含有)、角膜色素沈着、肝障害、光線過敏症 |
| ソタロール | ソタコール | クラスⅢ+β遮断作用を併せもつ。心室性不整脈・心房細動に使用。β遮断作用があるため、気管支嗘息患者には禁忌。QT延長・TdPのリスクに注意 |
| ニフェカラント | シンビット | 純粋なクラスⅢ薬(K⁺ch遮断のみ)。致死的心室性不整脈に静注で使用。アミオダロンと異なり臓器毒性が少ないが、QT延長・TdPのリスクはある |
- 心電図モニタリング:QT間隔の延長を定期的に確認。QT延長時はTorsades de Pointes(TdP)のリスクがあり、減量・中止を検討
- 呼吸状態(アミオダロン):間質性肺炎は最も重篤な副作用。乾性咳嗽・労作時の呼吸困難・発熱の出現を観察。定期的な胸部X線・肺機能検査が必要
- 甲状腺機能(アミオダロン):アミオダロンはヨウ素を含むため、甲状腺機能亂進症・低下症を起こす。定期的なTSH・FT4測定が必要。体重変動・倍怠感・動悸・発汗異常を観察
- 眼症状(アミオダロン):角膜色素沈着(角膜に赤褐色の沈着)が高頻度に出現。定期的な眼科検診が必要。視力低下・まぶしさの訴えに注意
- 肍機能(アミオダロン):肍障害が起こることがある。定期的な肍機能検査(AST・ALT)を確認
- 皮膚症状(アミオダロン):光線過敏症(日光による皮膚炎)が起こる。日光を避けるよう指導(日焼け止め・長袖の着用)
- 心拍数・血圧(ソタロール):β遮断作用による徐脈・低血圧に注意
- 電解質:低K血症・低Mg血症があるとQT延長・TdPのリスクが増大する。電解質補正が重要
- 併用薬確認:QT延長を起こす薬剤との重複、ジゴキシン・ワルファリンとの相互作用(アミオダロンが血中濃度を上昇させる)
アミオダロンは多彩な臓器毒性(間質性肺炎・甲状腺機能異常・角膜沈着・肝障害・光線過敏症)をもつため、定期的な検査(胸部X線・肺機能・TSH・肍機能・眼科)が不可欠。半減期が約40〜55日と非常に長く、中止後も長期間副作用が持続する。QT延長によるTdPのリスクにも注意。