塩基性注射剤

塩基性(アルカリ性)注射剤

pHが塩基性側(高pH)に調整されている注射剤。酸性注射剤や酸性〜弱酸性の輸液と混合すると、pH変動により沈殿・混濁・含量低下が生じやすい。
🚨
臨床上、塩基性注射剤は特に配合変化に注意が必要!
臨床で使用される輸液の多くは弱酸性(pH 3.5〜6.5 程度)である。
  • 5%ブドウ糖液:pH 3.5〜6.5
  • 生理食塩液:pH 4.5〜8.0
  • ソルデム3A:pH 約4.3〜5.3
  • フィジオ35・140:pH 約4.7〜5.3
  • ラクテック:pH 約6.0〜8.5
  • ビーフリード:pH 約6.7(開通後混合時)
そのため、塩基性注射剤を輸液に混注したり側管から投与すると、pHが大きく変動し、配合変化を起こしやすい。酸性注射剤よりも塩基性注射剤のほうが輸液との相性問題に遭遇する頻度が高い。

代表的な塩基性注射剤一覧

一般名商品名pH備考
フェニトインアレビアチン注約12ブドウ糖液で結晶析出。生食 or 注射用水で希釈
アシクロビルゾビラックス点滴静注10.7〜11.7高濃度で結晶析出・腎障害リスク
オメプラゾールオメプラール注9.5〜11.0生食・5%ブドウ糖以外との混合回避
カンレノ酸カリウムソルダクトン注9.0〜10.0
含糖酸化鉄フェジン注9.0〜10.0
フロセミドラシックス注8.6〜9.6酸性薬剤と白濁しやすい
アミノフィリンネオフィリン注8.0〜10.0
炭酸水素ナトリウムメイロン注7.0〜8.5高浸透圧・混注で配合変化多い

なぜ塩基性に調整されているのか?

主成分が酸性化合物(カルボン酸類など)の場合、中性では溶解度が低い → ナトリウム塩などにしてpHを上げることでイオン形にし、水への溶解度を高めている。
⚠️
注意:塩基性注射剤を酸性注射剤や酸性側の輸液と混合すると、pHが低下してイオン形→分子形に戻り、溶解度が低下 → 白濁・沈殿・含量低下のリスク

対策のポイント

  • 側管投与時は、投与前後に生食 or 5%ブドウ糖液でフラッシュ
  • 他剤との混注を避け、単独ルートで投与することが望ましい
  • 不明な場合は必ず薬剤師に確認