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PVCフリーの輸液セット
PVCフリーの輸液セット
2026/3/16
10:38
2026/6/22
8:15
PVCフリー輸液セットが必要な薬剤とは?
点滴や注射で使用する輸液セットには、PVC(ポリ塩化ビニル)というプラスチック素材が使われていることがある。しかし、一部の薬剤ではPVC製の輸液セットを使用すると薬剤の効果や安全性に影響するため、
PVCフリー(DEHPフリー)輸液セット
を使用する必要がある。
なぜPVCフリーが必要なのか
理由は大きく3つである。
① DEHPが薬液へ溶け出す
PVC製品には柔軟性を持たせるために、DEHP(フタル酸ジ-2-エチルヘキシル)という可塑剤が含まれている。
脂溶性の高い薬剤や脂肪乳剤では、このDEHPが薬液中へ溶け出すことがある。
問題点
患者へDEHPが投与される
生殖毒性や肝毒性が懸念される
新生児・小児・妊婦・長期投与患者では特に注意が必要
② 薬剤がPVCへ吸着する
薬剤によってはPVCの内壁に付着し、患者へ届く薬剤量が減少する。
問題点
実際の投与量が減る
効果不足につながる
微量投与薬では影響が大きい
③ 薬剤の安定性が低下する
薬剤によってはPVCとの接触で濃度変化や分解が起こることがある。
PVCフリーが必要な代表的薬剤
DEHP溶出が問題となる薬剤
薬剤
主な用途
パクリタキセル
抗がん薬
エトポシド
抗がん薬
タクロリムス注射
免疫抑制薬
シクロスポリン注射
免疫抑制薬
アムホテリシンB脂質製剤
抗真菌薬
脂肪乳剤
栄養療法
PVC吸着が問題となる薬剤
薬剤
主な用途
ニトログリセリン注
狭心症・心不全
イソソルビドジニトレート注
狭心症
インスリン
糖尿病
ソマトスタチン
消化器疾患
オクトレオチド
内分泌疾患
安定性低下が問題となる薬剤
薬剤
ミコフェノール酸モフェチル注
ミルリノン
看護学生がまず覚えるべき薬剤
すべてを暗記する必要はない。
まずは以下の3剤を覚える。
薬剤
理由
ニトログリセリン
PVC吸着
パクリタキセル
DEHP溶出
タクロリムス
DEHP溶出
パクリタキセルは特に重要
パクリタキセル投与時には
✅ PVCフリー輸液セット
に加えて
✅ インラインフィルター
も必要となる。
PVCフリーとフィルターは別の目的であるため混同しない。
PVCフリー製品に使われる素材
PVCの代わりに次のような素材が使用される。
素材
特徴
ポリエチレン(PE)
吸着が少ない
ポリプロピレン(PP)
耐薬品性が高い
EVA
柔軟で透明性が高い
ポリブタジエン
柔軟性に優れる
実習で確認したいポイント
輸液準備時には次の順で確認する。
① 薬剤名を確認する
↓
② 添付文書を確認する
↓
③ PVCフリー指定の有無を確認する
↓
④ フィルターの必要性を確認する
↓
⑤ 専用ルートの有無を確認する
↓
⑥ 投与開始
国家試験対策のポイント
PVCフリーが必要な理由は次の3つに整理できる。
DEHPが溶け出す
パクリタキセル
タクロリムス
薬剤が吸着する
ニトログリセリン
ISDN
インスリン
薬剤の安定性が低下する
一部の抗がん薬
ミルリノン
まとめ
PVCフリー輸液セットを使用する目的は、
患者へ薬剤を正しい濃度で安全に届けること
である。
薬剤によって理由は異なるが、
DEHP溶出
PVC吸着
安定性低下
の3つに分けて考えると理解しやすい。
実習や国家試験では、特に
ニトログリセリン・パクリタキセル・タクロリムス
を重点的に覚えておくとよい。