医薬品の名前

医薬品には二つの名前がある

二つの名前
医療用医薬品には「製品名」と「一般名」があります。
一般名は、薬理作用に共通する名称(ステム)がつけられているため、名前から薬理作用を思い出すのに役立ちます。
一般名は非常に長いですが、「基本骨格+塩(えん)」の名称であり、基本骨格の名称だけを呼ぶことが多いです。
 
見分け方
製品名には、「登録商標®️」がついている
 
どっちを覚える?
開発されてすぐの新薬(先発医薬品名)には、独自の販売名が付けられています。
後発医薬品(ジェネリック)の販売名には、一般名がつけられています。
  • 臨床では、新薬は、販売名でよぶ。
  • 後発医薬品は、一般名でよぶ。
→どちらも必要
国試は一般名

どこまでが名前?

医薬品名(一般名)の中に出てくる「○○塩」「○○カリウム」「○○水和物」などは、薬の“中身の骨格(有効成分)”に付いている付加物を表します。
口頭で呼ぶときなどは、「○○塩」「カリウム」「水和物」の部分は省略して、基本的な骨格の部分だけを呼ぶことが多いです。(上の例では、「ロキソプロフェン」)
少し詳しい説明
「塩(えん)」って何?
有効成分の分子が、酸・塩基として電荷(+/−)を持つ形になれるとき、反対の電荷を持つイオンと組み合わせて安定化させたものを「塩」と呼びます。
  • 例:塩酸○○(塩酸=HCl 由来の「塩化物」)
  • 例:○○ナトリウム/○○カリウム(Na⁺/K⁺ を対イオンとして持つ塩)
どうして塩にするの?(よくある理由)
  • 溶けやすさ(溶解性)を調整して、吸収されやすくしたり、製剤にしやすくしたりする
  • 安定性を上げる(分解しにくい、結晶として扱いやすい)
  • 剤形(注射、点滴、錠剤など)に合わせるために性質を整える
「塩」が違うと何が変わる?
  • 多くの場合、薬理作用の中心(有効成分の骨格)は同じですが、溶け方・吸収の速さ・添加量(分子量が変わる)などが変わることがあります。
  • とくに注射・点滴などでは、塩の違いがpHや浸透圧に影響し、使い方に関わることがあります。
 

間違えやすい名前

類似名称で起こっているミス
薬剤名称が似ているために、間違った薬剤が投与されたミスが実際に起こっています。
名称は似ていても、効能は全く違います。効能を理解しておくことは、間違いに気づく、重要な手がかりにもなります。