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非麻薬性鎮痛薬(麻薬拮抗性鎮痛薬)

非麻薬性鎮痛薬(麻薬拮抗性鎮痛薬)

① 薬効群の概要

  • オピオイド受容体に作用するが、麻薬に指定されていない鎮痛薬の総称
  • μ受容体に対して部分作動薬拮抗薬として作用するため、モルヒネなどの純粋な作動薬とは異なる薬理プロファイルを持つ
  • 麻薬性鎮痛薬に比べ呼吸抑制や依存性が少ないとされるが、鎮痛力には天井効果(一定以上増量しても効果が頭打ちになる)がある
  • 中等度の疼痛(術後痛・外傷痛・がん性疼痛の初期など)に用いられる
  • 麻薬処方箋が不要であり、管理が比較的容易

② 作用機序

  • オピオイド受容体に対して部分作動薬または作動薬−拮抗薬として作用する
  • μ受容体:部分的に刺激(鎮痛)しつつ、完全作動薬の作用を拮抗する
  • κ受容体:作動薬として作用し、鎮痛・鎮静効果を発揮する
  • 天井効果:一定用量以上では鎮痛効果が頭打ちになるため、強い痛みには限界がある
  • 麻薬性鎮痛薬と併用すると、μ受容体で競合的に拮抗し、麻薬の効果を減弱させることがあるため注意
⚠️
重要:麻薬性鎮痛薬(モルヒネなど)を使用中の患者に麻薬拮抗性鎮痛薬を投与すると、鎮痛効果の減弱や退薬症状を引き起こす可能性がある。併用は原則避ける。

③ 代表薬

代表薬(一般名)先発品例特徴
ペンタゾシンソセゴン注・錠、ペンタジン注κ作動薬・μ拮抗薬。注射薬は術後痛などに広く使用。連用で依存性があり、注射薬は向精神薬指定。経口薬にはナロキソンを配合(乱用防止)
ブプレノルフィンレペタン注・坐剤、ノルスパンテープμ部分作動薬。モルヒネの約25〜50倍の鎮痛力。貼付剤(ノルスパン)は慢性疼痛に7日間持続。天井効果あり
エプタゾシンセダペイン注κ・μ作動薬。ペンタゾシンに比べ不快感(dysphoria)が少ない。術後痛に使用

代表薬の比較

ペンタゾシンブプレノルフィンエプタゾシン
受容体作用κ作動・μ拮抗μ部分作動κ・μ作動
天井効果ありありあり
剤形注射・経口注射・坐剤・貼付剤注射
依存性比較的あり(向精神薬指定)低い低い
不快感起きやすい少ない少ない

④ 看護のポイント(観察事項)

  • 呼吸抑制:麻薬性に比べリスクは低いが、高用量や他の中枢抑制薬との併用時は注意。呼吸数・SpO₂を観察
  • 悪心・嘔吐:投与初期に出やすい。体位変換時に増悪しやすい
  • 眠気・めまい:投与後の転倒予防に注意
  • 血圧上昇・頻脈:ペンタゾシンは心血管系への影響があり、心疾患のある患者には慎重投与
  • 精神症状:ペンタゾシンは不快感・幻覚を起こすことがある(κ受容体刺激による)
  • 依存性:ペンタゾシンの連用では精神的・身体的依存に注意。「ペンタゾシン依存症」として問題になることがある
  • 麻薬との併用禁忌:麻薬性鎮痛薬使用中の患者には原則使用しない(鎮痛効果減弱・退薬症状のリスク)
💡
ペンタゾシン経口薬(ソセゴン錠)にはナロキソン(麻薬拮抗薬)が配合されている。経口投与では肝初回通過効果でナロキソンは分解されるが、注射で乱用するとナロキソンが作用し、退薬症状を引き起こす仕組み(乱用防止策)。