性差
副作用における性差
| 医薬品/薬効分類 | 副作用の性差 | 機序 |
|---|---|---|
| 抗菌薬、抗アレルギー薬、向精神薬、抗不整脈薬 | 女性で薬剤性不整脈の発生率と重症度が高い | 思春期以降の女性で、性ホルモンの影響によりQT延長を来しやすい |
| 抗凝固薬(ワルファリン、ヘパリン) | 女性で効果は強いが、出血傾向も大きい | 女性で体重あたり投与量が多い |
| アセトアミノフェン | 女性で肝障害が多い | 女性で代謝酵素が飽和しやすい |
| ゾルピデム | 女性で翌朝までの持ち越し作用が強い | 女性でクリアランスが低い |
| ACE阻害薬 | 女性で空咳・血管浮腫の頻度が高い | 女性で咳反射の感度が高い |
| DHP系Ca拮抗薬 | 女性でふらつき・顔面紅潮・浮腫などの血管拡張性副作用が多い | 内皮由来過分極因子を介した血管拡張作用が若年女性で大きい |
| フルオロウラシル | 女性で腫瘍抑制効果が強いが、毒性も強い | 女性ではDPD活性が低い |
| ピオグリタゾン | 女性で作用は強いが、浮腫も多い | 女性ではPPARγ発現量が多い |
性別により用量が異なる医薬品
ピオグリタゾン(アクトス)
- 浮腫が比較的女性に多く報告されている
- 女性に投与する場合は、1日1回 15mg から投与を開始することが望ましい(男性より少ない用量から開始)
ラモセトロン(イリボー)
- 男性:5μg を1日1回(最高 10μg/日)
- 女性:2.5μg を1日1回(最高 5μg/日)
- 女性では便秘の副作用が起こりやすく、同じ用量での血中濃度が男性の約2倍になる
ヒドロキシクロロキン(プラケニル)
- 理想体重に基づく用量設定に性別で異なる係数を使用
- 女性:(身長 cm − 100)× 0.85
- 男性:(身長 cm − 100)× 0.9
デスモプレシン(ミニリンメルト)
- 夜間多尿による夜間頻尿の効能は男性のみに適応
- 女性では有効性の証明が不十分と判断されたため
看護における注意点
- 薬歴管理・初回アンケートで性別の確認が重要
- 性別によって用量が異なる薬剤では、処方量の妥当性を確認する
- 女性患者では、浮腫・便秘・QT延長・出血傾向などの副作用モニタリングに特に注意が必要
- 妊娠可能年齢の女性では、催奇形性のある薬剤(フィナステリド等)の取り扱いにも注意
与薬時の注意点:フィナステリド
服薬介助者が直接触れないように注意書きがある薬剤
- 妊娠可能年齢の女性では、催奇形性のある薬剤(フィナステリド等)の取り扱いにも注意
- フィナステリド(プロペシア)は経皮吸収されるため、破損・粉砕した錠剤に素手で触れてはならない
- 男子胎児の外性器の発育に影響を及ぼすおそれがあるため、妊婦または妊娠の可能性のある女性は特に注意
- 錠剤はコーティングされており、割れていなければ通常の取り扱いでは問題ない
- 取り扱い後は必ず手を洗うこと