溶解・希釈液
代表例一覧
生食不可(5%ブドウ糖液で溶解・希釈)
| 薬剤名 | 溶解液 | 希釈液 | 注意点・理由 |
|---|---|---|---|
| ナファモスタット(フサン等) | 5%ブドウ糖液 or 注射用水 | 5%ブドウ糖液 | 生食で塩析 → 白濁・沈殿。溶解は5%ブドウ糖液または注射用水、希釈は5%ブドウ糖液のみ |
| アムホテリシンB(ファンギゾン等) | 注射用水 | 5%ブドウ糖液 | 電解質含有輸液で沈殿。生食・リンゲル不可。フィルター要否も確認。混注禁止 |
| ジアゼパム(ホリゾン等) | — | 希釈不可 | 水にほとんど溶けない(有機溶媒使用)→ 他の注射液と混合・希釈すると沈殿。側管注入でも白濁+血管痛 |
| エトポシド(ラステット等) | — | 5%ブドウ糖液 or 生食 | 生食で希釈すると析出しやすい製剤あり。最終濃度0.4mg/mL以下を遵守。希釈後の安定性に注意 |
ブドウ糖液不可(生食で溶解・希釈)
| 薬剤名 | 溶解液 | 希釈液 | 注意点・理由 |
|---|---|---|---|
| メロペネム(メロペン等) | 生食 | 生食 | ブドウ糖液で含量低下が早い。溶解後は速やかに使用 |
Ca含有輸液(リンゲル液等)と配合不可
| 薬剤名 | 溶解液 | 希釈液 | 注意点・理由 |
|---|---|---|---|
| セフトリアキソン(ロセフィン等) | 生食 or 注射用水 | 生食 or 5%ブドウ糖液 | Ca含有輸液で不溶性沈殿(セフトリアキソンカルシウム)。同一ラインでの併用不可。ルート分離+前後フラッシュ |
溶解液・希釈液の制限あり(pH・配合変化)
| 薬剤名 | 溶解液 | 希釈液 | 注意点・理由 |
|---|---|---|---|
| フェニトイン(アレビアチン等) | —(液剤) | 生食のみ | 強アルカリ性(pH≒12) → ブドウ糖液で析出。他剤混注回避。ラインフラッシュ(前後)必須 |
| オメプラゾール注(オメプラール等) | 専用溶解液 | 生食 or 5%ブドウ糖液 | 溶解液・希釈液以外の輸液・他剤との混合回避。溶解後の安定性が短い(調製後速やかに使用) |
| 炭酸水素ナトリウム(メイロン等) | —(液剤) | — | 高浸透圧・強アルカリ性。多くの薬剤と配合変化(白濁・沈殿)。原則単独ルート投与 |
| ミノサイクリン(ミノマイシン等) | 注射用水は不可 | 生食 or 5%ブドウ糖液 等 | 注射用水での溶解不可。ホスホマイシン等と配合変化あり。pH低い(2.0〜3.5) |
| ドパミン(イノバン等) | — | 生食 or 5%ブドウ糖液 | アルカリ性薬剤と混合不可(変色・失活)。やむを得ない場合を除き他剤混注回避 |
| ニカルジピン(ペルジピン等) | — | 生食 or 5%ブドウ糖液 | リンゲル液等で白色懸濁。ラクテック・ソルアセト等は不可。多数の薬剤と配合不可 |
希釈必須+濃度管理が重要
| 薬剤名 | 溶解液 | 希釈液 | 注意点・理由 |
|---|---|---|---|
| カリウム製剤(KCl等) | — | 生食 or 5%ブドウ糖液等 | 原液静注は致死的。必ず希釈+点滴。最終濃度40mEq/L以下、投与速度20mEq/hr以下(施設ルール確認) |
| バンコマイシン | 注射用水 or 生食 | 生食 or 5%ブドウ糖液 | 原則希釈して投与。濃度5mg/mL以下、60分以上かけて投与。急速投与でレッドマン症候群・静脈炎 |
| アシクロビル点滴静注 | — | 生食 or 5%ブドウ糖液 | 高濃度で結晶析出 → 腎障害リスク。十分な希釈(7mg/mL以下)、1時間以上かけて点滴。輸液負荷も重要 |
| ガンシクロビル(デノシン等) | 注射用水 | 生食 or 5%ブドウ糖液等 | 最終濃度10mg/mL以下。1時間以上かけて投与。腎障害リスク |
専用溶解液が添付される製剤
| 薬剤名 | 溶解液 | 注意点・理由 |
|---|---|---|
| オメプラゾール注(オメプラール等) | 専用溶解液(添付) | 溶解後の安定性が短い。他の輸液との混合回避 |
| 一部の抗がん剤(製剤による) | 専用溶解液(添付) | 溶解液の種類で溶解性・安定性が大きく変わる。必ず添付文書を確認 |
現場での確認フロー
- 添付文書の「適用上の注意」→ 溶解液・希釈液の指定を確認
- インタビューフォーム → 配合変化データ、pH変動試験を確認
- 配合変化DB(stabilis等)→ 混注可否を確認
- 施設内ルール → 最終濃度・投与速度の基準を確認