看護薬理学
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看護薬理学 2026
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褐色細胞腫
褐色細胞腫
2026/4/9
8:09
2026/7/16
11:29
副腎髄質のカテコールアミン産生腫瘍
褐色細胞腫(フェオクロモサイトーマ)
副腎髄質のクロム親和性細胞(褐色細胞)から発生する腫瘍で、
カテコールアミン(アドレナリン・ノルアドレナリン)を過剰に産生・分泌
する。
切断面が褐色を呈するため「褐色細胞腫」と呼ばれる。
多くは良性だが、約10%は悪性とされる。
📋
疫学・特徴
高血圧患者の
1%未満
に認められるまれな疾患
好発年齢:20〜50歳代(あらゆる年齢で発症しうる)
約90%が副腎髄質に発生(副腎外発生=
パラガングリオーマ
)
約10〜40%に遺伝性素因あり
多発性内分泌腫瘍症2型(
MEN2
)
フォン・ヒッペル・リンドウ病(
VHL
)
神経線維腫症1型(
NF1
)
🔴
主な症状
カテコールアミンの過剰分泌により、以下の症状が
発作的
に出現する
症状
機序
発作性高血圧
(最も重要)
α₁受容体刺激 → 末梢血管収縮
頭痛
急激な血圧上昇に伴う
発汗
交感神経亢進
動悸・頻脈
β₁受容体刺激 → 心拍数↑
高血糖
グリコーゲン分解促進・インスリン分泌抑制
顔面蒼白
皮膚血管収縮
体重減少
代謝亢進
⚠️ 典型的3徴:
頭痛・発汗・動悸
🔬
検査・診断
検査
内容
尿中・血中カテコールアミン測定
アドレナリン・ノルアドレナリン・ドパミンの上昇を確認
尿中メタネフリン・ノルメタネフリン
カテコールアミン代謝産物の測定(スクリーニングに有用)
尿中VMA(バニリルマンデル酸)
カテコールアミンの最終代謝産物
CT / MRI
腫瘍の局在診断
¹³¹I-MIBG シンチグラフィ
副腎髄質・交感神経組織への集積 → 腫瘍の局在・転移評価
💊
治療
根治治療は外科的切除(腫瘍摘出術)
術前管理(薬物療法)
術中の高血圧クリーゼを予防するため、
必ず術前に十分な薬物コントロール
を行う
薬剤
分類
役割・ポイント
フェノキシベンザミン
非選択的・非可逆的α遮断薬
⭐
第一選択薬
術前2〜3週間前から開始し、十分にα遮断を行う
ドキサゾシン
選択的α₁遮断薬
フェノキシベンザミンの代替として使用
プロプラノロール
等β遮断薬
β遮断薬
α遮断が十分に行われた後に
頻脈コントロール目的で追加
⚠️
⚠️ 最重要ポイント:β遮断薬の単独投与は禁忌
褐色細胞腫に対して
β遮断薬のみを投与すると、著しい血圧上昇
を引き起こす
なぜ危険なのか?
カテコールアミンは
α受容体
(血管収縮=血圧UP)と
β受容体
(心拍数UP + 血管拡張)の両方に作用している
β遮断薬だけを投与すると、
血管を拡張するβ₂作用が消失
血管を収縮するα作用がブレーキなしで暴走
→ 血圧が著しく上昇(
高血圧クリーゼ
)
✅
鉄則:必ずα遮断薬を先に投与し、その後にβ遮断薬を追加する
🩺
禁忌となる薬剤
褐色細胞腫(またはパラガングリオーマ)の患者では、以下の薬剤が禁忌・注意となる
薬剤
理由
β遮断薬(単独投与)
α作用の暴走による高血圧クリーゼ
メトクロプラミド(プリンペラン)
カテコールアミン放出促進 → 高血圧クリーゼ
スルピリド(ドグマチール)
急激な昇圧発作のおそれ
グルカゴン
急激な昇圧発作を起こすことがある
📊
まとめ
項目
内容
疾患名
褐色細胞腫(pheochromocytoma)
発生部位
副腎髄質(クロム親和性細胞)
病態
カテコールアミンの過剰産生・分泌
3徴
頭痛・発汗・動悸
診断
尿中・血中カテコールアミン、メタネフリン、MIBG シンチ
治療
外科的切除(術前にα遮断 → β遮断の順で管理)
第一選択薬
α遮断薬(フェノキシベンザミン)
絶対注意
β遮断薬の単独投与は禁忌(高血圧クリーゼの危険)