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5α還元酵素阻害薬

5α還元酵素阻害薬

① 薬効群の概要

5α還元酵素(5αレダクターゼ)阻害薬は、テストステロンから活性型のジヒドロテストステロン(DHT)への変換を阻害することで、前立腺を縮小させる薬。主に前立腺肥大症(BPH)の治療に用いられる。男性型脱毛症(AGA)にも使用される。

② 作用機序

  • テストステロンは前立腺細胞内で5αレダクターゼによりDHTに変換される
  • DHTはテストステロンの約5倍のアンドロゲン活性を持ち、前立腺肥大を促進
  • 5αレダクターゼにはⅠ型Ⅱ型がある:
    • Ⅰ型:主に皮膚・肝臓に分布
    • Ⅱ型:主に前立腺・毛包に分布(前立腺肥大への関与が大きい)
  • 本薬でDHT産生を抑制 → 前立腺体積の縮小 → 排尿症状の改善
  • 治療効果の発現には3〜6ヶ月程度かかる

③ 代表薬

代表薬(一般名)先発品例特徴
デュタステリドアボルブ®5αレダクターゼⅠ型・Ⅱ型の両方を阻害。前立腺肥大症に適応。男性型脱毛症にも使用(ザガーロ®)
フィナステリドプロペシア®5αレダクターゼⅡ型のみ阻害。主に男性型脱毛症(AGA)に使用。前立腺肥大症には適応外

④ 看護のポイント(観察事項)

  • 効果発現に時間がかかる → 3〜6ヶ月の継続服用が必要。「効かない」と自己中断しないよう指導
  • PSA値を約50%低下させる → PSA検査による前立腺癌スクリーニング時、実際のPSA値は測定値の約2倍として評価する必要がある
  • 性機能障害 → 性欲低下・勃起障害・射精量減少がまれに起こる。患者のQOLに影響するため事前に説明
  • 女性化乳房 → まれに乳房腫大・乳房痛が起こることがある
  • 妊娠中の女性は触れない(極めて重要) → デュタステリド・フィナステリドともに経皮吸収により男児胎児の外性器発達に影響。破損した錠剤に素手で触れないよう指導
  • 献血制限 → 服用中および中止後一定期間は献血不可(デュタステリド:中止後6ヶ月、フィナステリド:中止後1ヶ月)
  • 服薬アドヒアランス → 効果が出るまで時間がかかることを説明し、中断すると前立腺が再度肥大することを伝える
  • α₁遮断薬との併用 → BPH治療ではタムスロシン(ハルナール®)などのα₁遮断薬と併用されることが多い。α₁遮断薬は速効性あり、5α阻害薬は長期的な前立腺縮小効果を担う