腎機能の推算
Cockcroft DW, Gault MH. Prediction of creatinine clearance from serum creatinine. Nephron. 1976;16(1):31-41. doi: 10.1159/000180580. PMID: 1244564.
腎機能
- 測定方法:イヌリンクリアランスを測定する
- 指標物質としての要件:
- 糸球体で自由にろ過される
- 尿細管で「再吸収」も「分泌」もされない(ろ過された量がそのまま尿に出る)
- 体内で代謝されたり、新しく作られたりしない
- 「イヌリンが尿に排泄された速度 = 腎臓のろ過速度(GFR)」
イヌリンは指標物質としての要件を全て満たすため、イヌリンクリアランスは、腎臓のろ過速度(GFR)と完全に一致する
- 特徴:腎機能を正確にすることができる
- 用途:腎移植ドナー候補、投与量を決定するのにより正確な腎機能が必要な薬物治療時に測定する
- 測定方法:24時間蓄尿して、クレアチニンクリアランスを測定する
- 注意点・・・イヌリンとクレアチニンの違い
- クレアチニンは、尿細管からわずかに分泌される
- クレアチニンは、筋肉から分泌される
イヌリンとクレアチニンの違い
→2〜3割、高めに出る
→筋肉量が極めて少ない人では、腎機能を高く見誤ってしまう
(推参式)
- 推算方法:血清クレアチニン(SCr)・年齢・体重・性別 から計算する
- 血清クレアチニン(SCr):Jaffe 法で測定
CG式は、実測GFRと比較すると、約30%過小評価となっている https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/16908915/
Jaffe法の測定結果は、2〜3割高値(特異性が落ちるため)
→結果として、Jaffe 測定結果を、CG式で推算すると、eGFR と一致
- 推算方法:血清クレアチニン(SCr)・年齢・性別 から計算する
- 血清クレアチニン(SCr):酵素法で測定
クレアチニンの測定方法
- Jaffe 法
- 酵素法
- IDMS 法
測定方法の比較
| 項目 | Jaffe法(従来型) | Jaffe法(IDMS補正済) | 酵素法(日本標準) | IDMS法(基準) |
| 標準化の有無 | なし(Non-traceable) | あり(IDMS-traceable) | あり(IDMS-traceable) | 本源的基準 |
| 数値の傾向 | 最も高い(不純物を含む) | 従来より約0.2〜0.3低下 | IDMS法とほぼ一致 | 正確(真値) |
| 主な使用地域 | 過去の臨床研究など | 米国・欧州の現行主流 | 日本・欧州の一部 | 研究・検定施設 |
| eGFR計算 | 不可(数値がズレる) | 可能(MDRD式など) | 可能(日本腎臓学会式) | - |
| 特長 | 誤差が大きい | 安価だが特異性は低い | 高精度・特異的 | 最高精度・高コスト |
腎機能過大評価を防ぐための方法
Round up 法
- SCr が0.6未満のときに、0.6を代入する方法
2011年から、米国では eGFR≒推算Ccr
2020年に、FDA は、個別 eGFR を推奨