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EPA/DHA製剤

EPA/DHA製剤(ω3系多価不飽和脂肪酸製剤)

① 薬効群の概要

イコサペント酸(EPA)およびドコサヘキサエン酸(DHA)を有効成分とするω3系多価不飽和脂肪酸製剤。主にTG低下作用を有し、抗炎症作用・抗血小板作用も併せ持つ。EPA単独製剤で心血管イベント抑制のエビデンスが確立されている。

② 作用機序

  • 肝臓でのTG合成抑制 → VLDL産生低下 → TG低下
  • リポタンパクリパーゼ(LPL)活性化 → TGに富むリポタンパクの分解促進
  • 抗血小板作用:TXA₂(血小板凝集促進)の産生抑制・PGI₃の産生促進(特にEPA)
  • 抗炎症作用:アラキドン酸カスケードを競合的に抑制。EPAからレゾルビン、DHAからプロテクチン(炎症収束性メディエーター)を産生
  • プラーク安定化:血管内膜機能改善、動脈硬化プラークの安定化に寄与

③ 代表薬

代表薬(一般名)先発品例特徴
イコサペント酸エチルエパデール®EPA単独製剤。心血管イベント抑制のエビデンス豊富(JELIS・REDUCE-IT)。閉塞性動脈硬化症にも適応
ω3脂肪酸エチルロトリガ®EPA+DHA配合製剤。TG低下効果がやや強い。心血管イベント抑制のエビデンスは限定的(STRENGTH試験)

④ EPAとDHAの違い

EPADHA
抗血小板作用強い(TXA₂産生抑制)弱い
抗炎症作用強い(レゾルビン産生)あり(プロテクチン産生)
心血管保護のエビデンス豊富(JELIS・REDUCE-IT)単独では限定的

⑤ 主な臨床エビデンス

試験名薬剤結果
JELIS(日本)EPA 1,800 mg/日スタチンにEPA上乗せ。主要冠動脈イベントを19%有意に低下
REDUCE-ITEPA 4 g/日高TG血症患者でMACEを25%有意に低下。EPAの心血管保護効果を強く支持
STRENGTHEPA+DHA 4 g/日MACEの有意な低下は示されず。EPA単独との違いが議論の対象

⑥ 看護のポイント(観察事項)

  • 食直後の服用が原則 → 空膀時は吸収が低下するため、必ず食直後に服用
  • 出血傾向の観察 → 皮下出血・歯肉出血・鼻出血・血尿など。特に抗凝固薬・抗血小板薬併用時はリスク↑
  • 手術前の休薬確認(7〜14日前)→ 出血リスクを考慮し、主治医に確認
  • 消化器症状(魚臭・悪心・下痢)→ カプセルを冷やして服用すると魚臭が軽減
  • 服用回数が1日2〜3回でカプセル数が多い → アドヒアランスの確認が重要
  • 魚アレルギーのある患者では注意(魚油由来の製剤)