小腸コレステロールトランスポーター阻害薬
小腸上皮細胞の刷子縁膜上に存在するコレステロールトランスポーター(NPC1L1:Niemann-Pick C1 Like 1)を阻害し、食事性および胆汁性コレステロールの吸収を選択的に抑制する薬。スタチンとは異なる作用機序で、併用により相加的なLDL-C低下効果が得られる。
- 小腸上部の刷子縁膜上の NPC1L1(コレステロールトランスポーター)に結合し、その機能を阻害
- 食事由来コレステロール および 胆汁由来コレステロール の小腸壁細胞への取り込みを選択的に阻害
- 肝臓へのコレステロール供給↓ → 肝のLDL受容体発現↑ → 血中 LDL-C低下
- 腸肝循環して小腸に長時間作用し、1日1回投与で効果が持続
- 主な代謝経路は グルクロン酸抱合(CYP非依存)→ 薬物相互作用が少ない
| 代表薬(一般名) | 先発品例 | 用法・用量 |
|---|---|---|
| エゼチミブ | ゼチーア®錠 | 1回10mg、1日1回 食後 |
| 配合剤 | 先発品例 | 含有成分 |
|---|---|---|
| エゼチミブ+アトルバスタチン | アトーゼット®配合錠 | エゼチミブ10mg+アトルバスタチン10mg or 20mg |
| エゼチミブ+ロスバスタチン | ロスーゼット®配合錠 | エゼチミブ10mg+ロスバスタチン2.5mg or 5mg |
| エゼチミブ+ピタバスタチン | リバゼブ®配合錠 | エゼチミブ10mg+ピタバスタチン1mg, 2mg or 4mg |
- 高コレステロール血症
- 家族性高コレステロール血症
- ホモ接合体性シトステロール血症
| 副作用 | 頻度 | 症状・注意点 |
|---|---|---|
| 消化器症状 | 比較的多い | 便秘、下痢、腹痛、腹部膨満感、吐き気 |
| 横紋筋融解症 | まれ | 筋肉痛・脱力・褐色尿 → CK値チェック。スタチン併用時に注意 |
| 肝機能障害 | まれ | 倦怠感・食欲不振・黄疸 → AST/ALTモニタリング |
| 過敏症 | 極めてまれ | アナフィラキシー、血管性浮腫、発疹 |
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
- HMG-CoA還元酵素阻害剤と併用する場合:重篤な肝機能障害のある患者
- スタチンとの併用が基本 → 単独ではLDL-C約18%低下、スタチン併用でさらに低下
- 副作用が少ない → スタチンに忍容性がない場合の代替選択肢としても使用される
- 横紋筋融解症の観察 → 特にスタチン併用時:筋肉痛・脱力感・褐色尿に注意
- 肝機能モニタリング → 定期的なAST・ALT検査
- フィブラート系薬との併用注意 → 横紋筋融解症リスク↑
- CYPが関与しない代謝経路のため、薬物相互作用は比較的少ない
- 食後投与が原則(服用時間の制限は厳しくない)
- 服薬継続の重要性を指導 → 自覚症状がないため中断しがち