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小腸コレステロールトランスポーター阻害薬

小腸コレステロールトランスポーター阻害薬

① 薬効群の概要

小腸上皮細胞の刷子縁膜上に存在するコレステロールトランスポーター(NPC1L1:Niemann-Pick C1 Like 1)を阻害し、食事性および胆汁性コレステロールの吸収を選択的に抑制する薬。スタチンとは異なる作用機序で、併用により相加的なLDL-C低下効果が得られる。

② 作用機序

  • 小腸上部の刷子縁膜上の NPC1L1(コレステロールトランスポーター)に結合し、その機能を阻害
  • 食事由来コレステロール および 胆汁由来コレステロール の小腸壁細胞への取り込みを選択的に阻害
  • 肝臓へのコレステロール供給↓ → 肝のLDL受容体発現↑ → 血中 LDL-C低下
  • 腸肝循環して小腸に長時間作用し、1日1回投与で効果が持続
  • 主な代謝経路は グルクロン酸抱合(CYP非依存)→ 薬物相互作用が少ない

③ 代表薬

代表薬(一般名)先発品例用法・用量
エゼチミブゼチーア®錠1回10mg、1日1回 食後

④ スタチンとの配合剤

配合剤先発品例含有成分
エゼチミブ+アトルバスタチンアトーゼット®配合錠エゼチミブ10mg+アトルバスタチン10mg or 20mg
エゼチミブ+ロスバスタチンロスーゼット®配合錠エゼチミブ10mg+ロスバスタチン2.5mg or 5mg
エゼチミブ+ピタバスタチンリバゼブ®配合錠エゼチミブ10mg+ピタバスタチン1mg, 2mg or 4mg

⑤ 適応症

  • 高コレステロール血症
  • 家族性高コレステロール血症
  • ホモ接合体性シトステロール血症

⑥ 副作用

副作用頻度症状・注意点
消化器症状比較的多い便秘、下痢、腹痛、腹部膨満感、吐き気
横紋筋融解症まれ筋肉痛・脱力・褐色尿 → CK値チェック。スタチン併用時に注意
肝機能障害まれ倦怠感・食欲不振・黄疸 → AST/ALTモニタリング
過敏症極めてまれアナフィラキシー、血管性浮腫、発疹

⑦ 禁忌

  • 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  • HMG-CoA還元酵素阻害剤と併用する場合:重篤な肝機能障害のある患者

⑧ 看護のポイント(観察事項)

  • スタチンとの併用が基本 → 単独ではLDL-C約18%低下、スタチン併用でさらに低下
  • 副作用が少ない → スタチンに忍容性がない場合の代替選択肢としても使用される
  • 横紋筋融解症の観察 → 特にスタチン併用時:筋肉痛・脱力感・褐色尿に注意
  • 肝機能モニタリング → 定期的なAST・ALT検査
  • フィブラート系薬との併用注意 → 横紋筋融解症リスク↑
  • CYPが関与しない代謝経路のため、薬物相互作用は比較的少ない
  • 食後投与が原則(服用時間の制限は厳しくない)
  • 服薬継続の重要性を指導 → 自覚症状がないため中断しがち