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抗コリン薬

抗コリン薬(パーキンソン病治療)

① 薬効群の概要

パーキンソン病ではドパミン低下により線条体でAChが相対的に優位となる。抗コリン薬はM₁受容体を遮断し、このバランスを是正することで特に 振戦(安静時振戦) を改善する。ただし認知機能低下などの抗コリン作用による副作用が多く、高齢者・認知症には原則禁忌。現在は若年発症例で振戦優位の場合に限定的に使用。

② 作用機序

  • 正常では線条体でドパミン(運動抑制)とACh(運動促進)がバランスを保つ
  • PDではドパミン↓ → 相対的にACh優位 → 振戦・筋固縮
  • 抗コリン薬 → 線条体のM₁受容体を遮断 → ACh優位を是正
  • 特に 振戦 に有効(固縮・無動への効果は限定的)

③ 代表薬

代表薬(一般名)先発品例特徴
トリヘキシフェニジルアーテン®最も古くから使用。振戦優位例に。錠剤・散剤
ビペリデンアキネトン®、タスモリン®注注射剤あり。急性ジストニア・薬剤性PDの急性期にも対応

④ 看護のポイント(観察事項)

  • 振戦の改善度(最も有効な症状)
  • 患者の 年齢・認知機能 の確認(高齢者・認知症には原則禁忌)
  • 緑内障 の既往有無(閉塞隅角緑内障に禁忌)
  • 副作用(抗コリン作用):
    • 口渇:水分摂取・口腔ケア(龍歯リスク↑)
    • 便秘:排便状況の確認
    • 排尿障害:尿量・残尿感(特に前立腪肥大例)
    • 認知機能低下(最も重要):物忘れ・混乱・せん妄
    • 幻覚・せん妄・眼圧上昇・眼調節障害

トリヘキシフェニジルとビペリデンの比較:

項目トリヘキシフェニジル(アーテン®)ビペリデン(アキネトン®)
剤形錠剤・散剤錠剤・細粒・注射剤
急性期対応不可可能(タスモリン®注)
高齢者原則禁忌原則禁忌