看護薬理学
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看護薬理学 2026
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自動車の運転等、機械の操作に注意が必要な薬剤
自動車の運転等、機械の操作に注意が必要な薬剤
2026/4/15
17:54
2026/6/21
19:53
添付文書における「自動車の運転等危険を伴う機械の操作」に関する注意は、大きく
2段階
に分かれます。
⚠️
禁止レベル
:「従事させないよう注意すること」
→ 原則として運転・危険作業を行わせない
💡
注意レベル
:「注意させること」
→ 眠気・めまい等が生じた場合は従事しないよう指導
禁止レベル(従事させないこと)
① 催眠鎮静薬・抗不安薬
分類
代表的な薬剤
主な理由
ベンゾジアゼピン系睡眠薬
ニトラゼパム、フルニトラゼパム、トリアゾラム、ブロチゾラム 等
眠気、ふらつき、健忘
非ベンゾジアゼピン系睡眠薬
ゾルピデム、エスゾピクロン、ゾピクロン
眠気、異常行動(sleep-driving含む)
メラトニン受容体作動薬
ラメルテオン
眠気
オレキシン受容体拮抗薬
スボレキサント、レンボレキサント、ダリドレキサント
眠気、翌朝への持ち越し
ベンゾジアゼピン系抗不安薬
ジアゼパム、ロラゼパム、アルプラゾラム、エチゾラム 等
眠気、注意力低下
バルビツール酸系
フェノバルビタール、ペントバルビタール
強い鎮静作用
② 抗てんかん薬
分類
代表的な薬剤
備考
従来薬
フェニトイン、カルバマゼピン、バルプロ酸、クロナゼパム
眠気、めまい、複視
新規抗てんかん薬
レベチラセタム、ラモトリギン、ラコサミド、ペランパネル、トピラマート 等
眠気、注意力低下
📌
てんかん患者の運転免許は
道路交通法施行令
により、発作が2年以上コントロールされている等の条件を満たす場合に取得可能。薬剤の影響とは別に
疾患自体の運転適性評価
が必要。
③ 抗精神病薬
分類
代表的な薬剤
主な理由
定型抗精神病薬
ハロペリドール、クロルプロマジン、レボメプロマジン
鎮静、錐体外路症状
非定型抗精神病薬
リスペリドン、オランザピン、クエチアピン、アリピプラゾール、ブレクスピプラゾール
眠気、めまい
④ 抗うつ薬
分類
代表的な薬剤
主な理由
三環系
アミトリプチリン、イミプラミン、クロミプラミン
鎮静、抗コリン作用(霧視)
四環系
ミアンセリン、ミルタザピン
強い眠気
SSRI
パロキセチン、セルトラリン、フルボキサミン、エスシタロプラム
眠気、めまい
SNRI
デュロキセチン、ベンラファキシン
眠気、めまい
⑤ オピオイド鎮痛薬
代表的な薬剤
主な理由
モルヒネ、オキシコドン、フェンタニル、ヒドロモルフォン、トラマドール、コデイン、タペンタドール
眠気、めまい、意識レベル低下
📌
がん疼痛に対する定常状態のオピオイドでは、個別に運転可否を判断する場合もある(日本緩和医療学会ガイドライン参照)。ただし添付文書上は
一律禁止
の記載。
⑥ 抗ヒスタミン薬
世代
代表的な薬剤
運転への影響
第1世代(禁止)
クロルフェニラミン、ジフェンヒドラミン、ヒドロキシジン、プロメタジン
強い眠気・鎮静
第2世代(禁止)
ケトチフェン、オロパタジン(内服)、セチリジン
添付文書で運転禁止
第2世代(注意)
エピナスチン、エバスチン、ロラタジン、レボセチリジン、ベポタスチン
添付文書で注意レベル
第2世代(記載なし)
フェキソフェナジン、デスロラタジン、ビラスチン
運転制限の記載なし
抗ヒスタミン薬は製剤ごとに添付文書を確認
・・ただし、個人差があるため注意
💡
運転に配慮が必要な患者(ドライバー等)では、
フェキソフェナジン・デスロラタジン・ビラスチン
が選択肢となる。
⑦ 散瞳薬・調節麻痺薬(眼科用)
代表的な薬剤
理由
持続時間
トロピカミド・フェニレフリン配合点眼
散瞳による羞明・霧視
数時間
アトロピン点眼
散瞳+調節麻痺
1〜2週間
シクロペントラート点眼
散瞳+調節麻痺
約24時間
⑧ 筋弛緩薬
代表的な薬剤
主な理由
チザニジン、バクロフェン、ダントロレン
眠気、筋力低下、ふらつき
⑨ その他(禁止レベル)
薬効群
代表的な薬剤
理由
片頭痛治療薬
エルゴタミン製剤
めまい
制吐薬
メトクロプラミド、ドンペリドン(高用量)
眠気
抗パーキンソン病薬
ドパミンアゴニスト全般
突発的睡眠(sleep attack)
鎮咳薬
コデイン含有製剤、デキストロメトルファン
眠気
🚨
ドパミンアゴニスト
(プラミペキソール、ロピニロール等)は
前兆のない突発的睡眠(sleep attack)
が報告されており、運転中の事故リスクが特に高い。
注意レベル(注意させること)
上記の禁止レベルほど強い制限ではないが、添付文書で注意を求められる主な薬剤群:
薬効群
代表的な薬剤
理由
降圧薬
Ca拮抗薬、ACE阻害薬、ARB、α遮断薬
めまい、起立性低血圧
糖尿病治療薬
インスリン、SU薬、グリニド薬
低血糖による意識障害
β遮断薬
プロプラノロール、カルベジロール
めまい、徐脈
一部のNSAIDs
インドメタシン
めまい、頭痛
抗コリン薬(泌尿器)
オキシブチニン、ソリフェナシン
霧視、眠気
服薬指導のポイント
💊
「眠気が出なければ運転してよい」は誤り
→ 添付文書で「従事させないこと」の場合、眠気の自覚の有無に関わらず原則禁止
非鎮静性抗ヒスタミン薬
(フェキソフェナジン、デスロラタジン、ビラスチン)は運転制限の記載がなく、ドライバーへの処方変更提案が可能
OTC医薬品
にも運転禁止薬(ジフェンヒドラミン含有睡眠補助薬、抗ヒスタミン含有かぜ薬等)が多く含まれるため、セルフメディケーション時の確認が重要
高齢者
では薬物感受性の亢進やポリファーマシーにより、注意レベルの薬剤でも実質的なリスクが高まる場合がある
参考
各薬剤の電子添文(PMDA)
愛媛大学附属病院薬剤部「自動車運転禁止薬剤等に関する注意喚起」
日本てんかん学会「てんかんと運転」ガイドライン
日本緩和医療学会「がん疼痛の薬物療法に関するガイドライン」