交感神経アゴニスト

交感神経アゴニスト(交感神経作動薬/アドレナリン作動薬)

① 薬効群の概要

  • 交感神経アゴニストは、主に α/β受容体(アドレナリン受容体) を刺激して、循環・呼吸・代謝などを「活動モード(fight or flight)」へ寄せる薬
  • 適応が広く、救急(ショック、アナフィラキシー)から慢性疾患(喘息/COPD、過活動膀胱など)まで用いられる
  • 作用は受容体サブタイプで大きく異なるため、臨床では「どの受容体を主に刺激するか」で使い分ける
  • 副作用は「交感神経過剰」として出やすい(動悸、振戦、不眠、血圧上昇、不整脈 など)

② 作用機序

  • α1刺激:末梢血管収縮 → 血圧↑、鼻粘膜血管収縮(鼻閉改善)など
  • α2刺激:交感神経終末からのNA遊離抑制/中枢性に交感神経抑制(薬剤により)
  • β1刺激:心拍↑、心収縮力↑(強心)
  • β2刺激:気管支拡張、骨格筋血管拡張、子宮弛緩
  • β3刺激:膀胱排尿筋弛緩(蓄尿)

③ 代表薬(分類と例)

※採用薬・適応は施設/国で異なるため代表例として整理。

救急・循環(昇圧/強心)

分類薬剤例(一般名)主な用途・ポイント
昇圧薬(血管収縮)ノルアドレナリン など血管収縮で血圧維持(ショック)。虚血・不整脈に注意
アナフィラキシーアドレナリンα1(血管)+β2(気管支)+β1(心)を活かす
強心薬ドブタミン など心収縮力↑。頻脈・不整脈に注意

呼吸器(β2刺激薬)

分類薬剤例(一般名)主な用途・ポイント
SABAサルブタモール など発作時のレスキュー。頻回使用はコントロール不良のサイン
LABAサルメテロール、ホルモテロール など長期管理。適応に応じてICS等と併用される

泌尿器(β3刺激薬)

分類薬剤例(一般名)主な用途・ポイント
β3刺激薬ミラベグロン など排尿筋弛緩 → 蓄尿。血圧上昇・頻脈に注意

④ 看護のポイント(観察事項)

  • 循環器:脈拍、血圧、胸痛、動悸、不整脈症状
  • 呼吸器:喘鳴、呼吸困難、吸入薬の使用回数(増加=悪化サイン)
  • 中枢:不安、焦燥、不眠
  • 骨格筋:振戦
  • 代謝:低K血症(大量/頻回のβ刺激薬で注意)、高血糖
⚠️
過量・過反応のサイン:強い頻脈、胸痛、血圧上昇、不整脈、強い振戦・不安など → 投与調整や緊急対応を検討。

関連ワード

  • 交感神経
  • α受容体/β受容体
  • 交感神経アンタゴニスト
  • β作動薬