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睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群(SAS)

概要

睡眠中に無呼吸(気流停止)または低呼吸(換気低下)が反復し、低酸素・睡眠分断をきたす状態。日中の眠気だけでなく、高血圧・心血管イベント・不整脈などのリスクを上げる。

分類

分類機序代表例
閉塞性SAS(OSA)上気道の虚脱(呼吸努力はある)肥満、扁桃肥大、顎顔面形態、飲酒・鎮静薬など
中枢性SAS(CSA)呼吸中枢のドライブ低下(呼吸努力が低下/消失)心不全(チェーンストークス呼吸)、脳血管障害後、薬剤(オピオイド)など
混合型OSAとCSAが混在

症状・サイン

夜間(本人・同居家族が気づきやすい)

  • いびき、呼吸停止の目撃、あえぎ呼吸
  • 夜間頻尿、寝汗
  • 口渇、逆流症状
  • 熟眠感の欠如、睡眠中断

日中

  • 強い眠気(居眠り運転リスク)
  • 集中力低下、頭痛(起床時)
  • 易刺激性、抑うつ様

合併症・重要性

⚠️
  • 高血圧(治療抵抗性の原因になり得る)
  • 心房細動など不整脈
  • 心不全・虚血性心疾患・脳卒中リスク
  • 2型糖尿病・脂質異常症など代謝異常
  • 事故(眠気による交通事故・労災)

診断(要点)

  • 検査:簡易検査(携帯モニター)/PSG(終夜睡眠ポリグラフ)
  • 指標:AHI(無呼吸低呼吸指数:1時間あたりの無呼吸+低呼吸回数)
    • 一般に AHI 5以上でSASを示唆、重症度はAHIで評価される(運用は施設・保険要件に従う)
  • 併せて評価:SpO2低下の程度、睡眠段階、体位依存、鼻閉、顎顔面形態、併存疾患、薬剤(鎮静薬・オピオイド等)

治療(全体像)

🩺
  • 基本は OSA:上気道の確保(CPAP/口腔内装置/手術)+生活習慣介入
  • CSA:原因疾患(心不全など)や薬剤の見直し が重要

治療:生活習慣・一般対策

  • 減量(OSAの第一選択級の介入)
  • 飲酒・鎮静薬の調整(上気道虚脱・呼吸抑制を助長)
  • 側臥位(体位依存が強い場合)
  • 鼻閉の評価と治療(アレルギー性鼻炎など)
  • 睡眠衛生(就寝時刻、睡眠時間の確保)

治療:CPAP(持続陽圧呼吸療法)

位置づけ

  • 主に 中等症〜重症OSA の標準治療(適応はAHI等の基準により運用)

期待できる効果

  • いびき・無呼吸の改善、日中の眠気改善
  • 高血圧・心血管リスク低減に寄与する可能性

実務ポイント

  • マスクフィット(漏れ)、鼻閉、乾燥対策(加温加湿)
  • 継続使用時間が効果に直結:使用状況(アドヒアランス)の確認

治療:口腔内装置(OA:マウスピース)

  • 主に 軽症〜中等症OSA、CPAPが困難な場合の選択肢
  • 下顎前方移動により上気道を確保
  • 歯科での適合調整が重要(顎関節症、歯列への影響に注意)

治療:手術(例)

  • 扁桃肥大・鼻閉など解剖学的要因が明確な場合に検討
  • 上気道手術(例:口蓋垂軟口蓋咽頭形成術など)、鼻科手術、顎矯正など(適応は専門科評価)

中枢性SAS(CSA)の治療(要点)

  • 原因の是正:心不全の最適化、脳疾患の評価、オピオイド等の呼吸抑制薬の見直し
  • PAP治療(ASV等)は病態により適応判断が必要(心不全合併では注意事項があるため専門管理)

フォローアップ(チェック項目)

  • 日中の眠気、居眠り運転リスク
  • 血圧、不整脈症状、心不全徴候
  • 体重変化、飲酒状況、併用薬(睡眠薬・抗不安薬・オピオイド等)
  • CPAP/OAの使用状況(継続時間、違和感、皮膚トラブル、鼻症状)