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ADHD

注意欠如・多動症(ADHD)

概要

不注意多動性衝動性の特性により、学業・仕事・対人関係などの機能に支障をきたす神経発達症。小児期に始まり、成人期まで持続することがある。

主症状(要点)

領域具体例
不注意忘れ物が多い、ケアレスミス、課題の段取りが苦手、注意が持続しない、話を聞き続けにくい
多動性そわそわする、落ち着いて座っていられない、過度にしゃべる(成人では「内的多動」になることも)
衝動性順番を待てない、割り込み、思いつきで行動、衝動買い・過食など

併存しやすい状態(臨床で重要)

  • 不安症、うつ、双極性障害
  • 睡眠障害
  • 物質使用障害(アルコール等)
  • 発達特性(ASD)
  • 学習障害

診断(要点)

  • 症状の出現時期(小児期からか)、複数状況での持続、生活機能への影響を確認
  • 家族・学校/職場など第三者情報が有用
  • 鑑別:睡眠不足、うつ/不安、甲状腺機能異常、薬剤性、SAS など

治療(全体像)

🩺
  • 心理社会的支援(環境調整・スキルトレーニング) が土台
  • 必要に応じて 薬物療法 を併用し、機能(学業・就労・生活管理)を改善する

治療:心理社会的介入(例)

  • 生活・学習/業務の構造化(手順を見える化、チェックリスト、リマインダー)
  • タスクを小分けにして締切を短くする
  • 先延ばし対策(開始のハードルを下げる:5分だけ着手、場所を固定)
  • 認知行動療法(CBT)やコーチング(成人ADHDで有用なことがある)
  • 家族/学校/職場への情報共有と合理的配慮

薬物療法(代表的な選択肢)

1) 中枢刺激薬

  • 例:メチルフェニデート など(製剤・適応・処方ルールは国/施設で異なる)
⚠️
  • 食欲低下、不眠、動悸、血圧/脈拍上昇に注意
  • 既往(心疾患、不整脈、チック、精神症状など)を評価
  • 乱用・依存のリスクがあるため 適正使用と保管管理 を徹底

2) 非刺激薬

  • 例:アトモキセチン(NA再取り込み阻害)、α2作動薬(グアンファシン等)
⚠️
  • 眠気、血圧低下/徐脈(α2作動薬)などに注意
  • 効果発現が緩徐なことがあるため、評価期間を確保して調整

生活上の注意(安全面)

  • 不眠対策:服用時間の調整、カフェイン管理、睡眠衛生
  • 事故予防:運転・危険作業は症状コントロール状況に応じてリスク評価

フォローアップ(チェック項目)

  • 不注意/衝動性による困りごとの具体例(学校・職場・家庭)
  • 併存症(不安・抑うつ・睡眠・物質使用)の評価
  • 薬物療法の効果(集中、課題遂行、対人トラブル)と副作用
  • バイタル(血圧、脈拍)、体重/食欲、睡眠
  • 服薬状況・紛失/早期追加要求など(適正使用の確認)