ドライアイ
① 概要(どんな状態?)
- 涙液(量・質・分布)の異常により、眼表面(角膜・結膜)の乾燥や炎症が起こり、
- 乾く
- ゴロゴロする
- しみる
- 目が疲れる
- かすむ(視機能のゆらぎ)
などの症状を呈する。
- 病態は大きく
- 涙液減少型(涙が少ない:加齢、シェーグレン症候群など)
- 蒸発亢進型(涙はあるが蒸発が多い:MGD/マイボーム腺機能不全、VDT作業、環境要因など)
に分けて考えることが多い。
② 悪化因子(よくある)
- コンタクトレンズ
- VDT作業(瞬目減少)
- 乾燥環境(空調、風)、喫煙
- 加齢、女性(ホルモン要因)
- 眼瞼炎/MGD
- 薬剤性:抗コリン薬、抗ヒスタミン薬、向精神薬、利尿薬など(涙液分泌低下に関与し得る)
③ 治療の考え方(大枠)
- 目標:症状の軽減と、角結膜障害の改善・再発予防。
- 基本は
1) 環境・生活調整(瞬目、加湿、コンタクト調整など)
2) 人工涙液・保湿
3) 炎症のコントロール(抗炎症点眼など)
4) 涙の保持(涙点プラグなど:処置)
を組み合わせる。
| 分類 | 代表薬(例) | 主な狙い | ポイント(例) |
|---|---|---|---|
| 人工涙液/ヒアルロン酸 | ヒアルロン酸Na点眼 など | 保湿・角結膜保護 | コンタクト装用可否は製剤で確認。頻回点眼が必要なことも。 |
| ムチン/涙液安定化 | ジクアホソル レバミピド | 涙液層の安定化、ムチン分泌促進など | 味覚異常(苦味)や一時的な見え方の変化などが起こることがある。 |
| 抗炎症(免疫調整) | シクロスポリン点眼 など | 炎症の抑制 | しみる/刺激感が出ることがある。効果は徐々に。 |
| ステロイド点眼(短期) | (製剤による) | 増悪時の炎症を短期で抑える | 眼圧上昇・感染リスクなどがあるため、自己判断で長期使用しない。 |
⑤ 指導・フォローの要点
- 点眼回数:症状により頻回になることがある。続け方の確認。
- コンタクト:症状が強い時は装用時間短縮やレンズ変更を検討。
- VDT対策:意識して瞬目、休憩(例:20-20-20)、モニター位置調整。
- 眼瞼炎/MGD:温罨法、眼瞼清拭などのセルフケアが有効なことがある(指示に従う)。
- 受診の目安:強い痛み、視力低下、片眼性の強い充血、膿性眼脂などがあれば早めに受診(感染性角結膜炎など鑑別)。
ポイント: ドライアイは「涙が少ない」だけでなく「涙が不安定(蒸発しやすい)」も多い。人工涙液だけで不十分なら、ムチン分泌促進薬や抗炎症点眼、MGD対策を組み合わせる。