グリコペプチド系抗菌薬

グリコペプチド系抗菌薬

① 薬効群の概要

  • グリコペプチド系抗菌薬は、細菌の細胞壁合成を阻害する抗菌薬で、主にグラム陽性菌に有効
  • MRSAなど耐性グラム陽性菌感染で重要な位置づけ
  • 代表薬は バンコマイシン(ほかテイコプラニン等:施設・国により)
  • 重要な副作用として腎毒性、投与速度関連反応(レッドマン症候群など)を含む過敏反応があり、投与管理・モニタリング(TDM)が重要

② 作用機序

  • 細胞壁のペプチドグリカン前駆体(D-Ala-D-Ala末端など)に結合し、
    • トランスグリコシル化
    • トランスペプチダーゼ反応(架橋形成)
    • を阻害 → 細胞壁が形成できず死滅(一般に殺菌的:菌種・条件で差)
💡
バンコマイシンはTDM(AUC/MIC などの指標)で有効性と腎毒性リスクのバランスを取る(施設運用に従う)。

③ 代表薬(分類と例)

※採用薬は施設で異なるため代表例として整理。
薬剤例(一般名)主な用途(例)ポイント
バンコマイシンMRSA感染症などTDMで過量を避ける。腎毒性、投与速度関連反応に注意
テイコプラニン(施設・国による)MRSA感染症など投与設計・TDMは運用による

④ 看護のポイント(観察事項)

  • 腎機能:Cr、尿量(腎毒性)/腎機能に応じた用量調整
  • TDM:採血タイミング・目標範囲(施設運用)を確認
  • 投与速度関連反応
    • 皮膚紅潮、そう痒、低血圧など(レッドマン症候群)
    • 投与速度調整、必要に応じて前投薬など(運用)
  • アレルギー反応:発疹、呼吸苦、血圧低下(アナフィラキシー)
  • 併用薬:腎毒性薬(アミノグリコシド、ループ利尿薬、造影剤など)併用でリスク↑
  • 治療反応:発熱、局所症状、検査所見、培養結果
⚠️
腎毒性は投与中に進行することがある:腎機能・TDM・併用薬をセットで評価し、必要時に早期調整。

関連ワード

  • MRSA
  • 抗微生物薬への耐性(AMR)
  • アミノグリコシド系抗菌薬(腎毒性の相加に注意)