アントラサイクリン系

アントラサイクリン系抗がん薬

① 薬効群の概要

  • 細胞障害性抗がん薬の一群で、DNAに作用して腫瘍細胞増殖を抑制する
  • 代表薬:ドキソルビシンダウノルビシンエピルビシンイダルビシン(ほか アムルビシン等)
  • 主な有害事象として 骨髄抑制悪心・嘔吐脱毛 に加え、クラス特有として 心毒性(心筋障害) が重要
  • 注射薬が中心で、血管外漏出(vesicant:壊死起因性) への注意が必要

② 作用機序

  • DNAに結合し、トポイソメラーゼII阻害 などを介してDNA損傷を惹起
  • フリーラジカル生成にも関与し、抗腫瘍効果と一部毒性(心毒性など)に関連

③ 代表薬(分類と例)

薬剤例(一般名)主なポイント(例)注意(例)
ドキソルビシン代表的アントラサイクリン心毒性、血管外漏出に注意
ダウノルビシン血液腫瘍などで使用されることがある心毒性、骨髄抑制
エピルビシンドキソルビシン類似薬心毒性、骨髄抑制
イダルビシン血液腫瘍などで使用されることがある心毒性、骨髄抑制

④ 看護のポイント(観察事項)

  • 骨髄抑制:発熱・感染兆候、出血傾向(血小板低下)、貧血症状
  • 心毒性:息切れ、浮腫、動悸、体重増加、心不全兆候(累積投与量・既往・併用薬など背景も確認)
  • 消化器症状:悪心・嘔吐、食欲低下、口内炎
  • 血管外漏出:穿刺部位の疼痛、灼熱感、腫脹、発赤(早期対応が重要)
  • 尿・体液の着色:赤橙色の尿など(薬剤由来のことがあるため説明・不安軽減)
⚠️
アントラサイクリン系は血管外漏出で重篤な皮膚障害(潰瘍・壊死)につながり得る:投与中のルート観察と、異常時の迅速な対応が重要。

関連ワード

  • 細胞障害性抗がん薬(従来型抗がん薬)
  • 血管外漏出
  • 心毒性(心筋障害)
  • 骨髄抑制