疥癬
概要
- 疥癬は ヒゼンダニ(Sarcoptes scabiei var. hominis) が皮膚に寄生して起こる感染症
- 主症状は 強いそう痒(かゆみ)(夜間に増悪しやすい)と、丘疹・小水疱・結節などの皮疹
- 濃厚接触(同居、介護、施設内接触など)で伝播しやすく、集団発生の原因になる
- 免疫低下や高齢者では 角化型疥癬(ノルウェー疥癬) を起こしうる
- ダニ数が多く感染性が非常に高い
- 角化・痂皮が目立つ一方、かゆみが強くないこともある
原因・病態(ポイント)
- 雌ダニが表皮角層にトンネル(疥癬トンネル)を作り産卵
- 虫体/卵/排泄物に対する免疫反応でそう痒・皮疹が生じる
- 治療後もしばらくかゆみが残ることがある(炎症・過敏反応の残存)
診断(目安)
- 皮疹の分布(手指間、手関節屈側、腋窩、陰部など)と強いそう痒が手がかり
- 虫体・卵・糞の確認(皮膚掻爬、ダーモスコピー等)で確定することが多い
- 施設内発生や角化型疑いは早期に専門科へ相談
治療(薬物療法)
※国内承認・製品、用法用量、年齢制限は添付文書/施設運用に従う。
1) 内服治療
- イベルメクチン
- 通常疥癬でも使用されることがある
- 重症例/角化型では反復投与や併用治療が検討されることがある
2) 外用治療(状況により併用)
- 外用駆虫薬(例:クロタミトン等:採用/適応による)
- 皮膚炎・掻破が強い場合:
- ステロイド外用、抗ヒスタミン薬など(症状緩和:病態に応じて)
3) 治療の成功に重要な点
- 同居者/濃厚接触者の同時治療(再感染防止)
- 環境対策:寝具・衣類・タオルなど(洗濯/乾燥、隔離など可能な範囲で)
- 角化型疑いでは隔離・PPEなど感染対策を強化(施設運用)
看護のポイント(観察・指導)
- かゆみの評価:治療後も残存しうるが、悪化・持続は再感染/治療不十分も念頭
- 皮膚の状態:掻破、湿疹化、二次感染(膿痂疹・蜂窩織炎)
- 服薬/塗布の実施状況:再投与の予定、外用の塗布範囲・手順
- 感染対策:接触予防(手袋等)、リネン管理、同室者・家族の症状確認
角化型疥癬は感染性が非常に高く、院内/施設内アウトブレイクの原因になる:疑った時点で速やかに報告・隔離・専門科相談。