カルシニューリン阻害薬
T細胞活性化に必須のカルシニューリンを阻害し、IL-2産生を低下させて細胞性免疫を抑制する免疫抑制薬。臓器移植の拒絶反応予防/治療や、自己免疫疾患などで使用される。治療域が狭い(TDMが重要)こと、腎障害や感染症などのリスク、CYP3A4/P-gp相互作用が大きいことが特徴。
- 代表薬:シクロスポリン、タクロリムス
- 重大リスク:腎障害、高血圧、感染症、神経毒性(振戦・頭痛・けいれん等)
- 併用薬の影響で血中濃度が大きく変動し得る(相互作用管理が重要)
- T細胞内で免疫フィリンと結合してカルシニューリンを阻害
- シクロスポリン:シクロフィリンと結合
- タクロリムス:FKBP(FK結合蛋白)と結合
- いずれもカルシニューリン阻害 → NFAT活性化抑制 → IL-2産生↓ → T細胞増殖/活性化↓
| 薬剤 | 剤形(例) | ポイント(要点) |
|---|---|---|
| シクロスポリン | 経口(微小乳化製剤など) 注射 | TDM必須。腎障害・高血圧・感染・神経毒性。歯肉増殖/多毛などが特徴的。製剤変更に注意。 |
| タクロリムス | 経口 注射 外用(皮膚科領域など) | TDM必須。腎障害・感染・神経毒性。高血糖/糖尿病の論点になることがある。 |
- TDM(最重要):採血タイミング(トラフ等)を守る
- 腎機能:Scr/eGFR、尿量、体重増加・浮腫
- 血圧:高血圧の出現/増悪
- 感染兆候:発熱、咳・痰、咽頭痛、排尿時痛、創部発赤など
- 神経症状:振戦、頭痛、視覚異常、けいれん兆候
- 電解質:高K血症、低Mg血症など
- 相互作用/食事:
- 濃度↑:マクロライド系、アゾール系、ジルチアゼム/ベラパミル、グレープフルーツ等
- 濃度↓:リファンピシン、カルバマゼピン、フェニトイン、セントジョーンズワート等
- 併用薬追加・市販薬/サプリ追加時は必ず確認
カルシニューリン阻害薬は 腎障害 と 相互作用、感染症 が重要。尿量低下やScr上昇、発熱、神経症状があれば早期に報告。採血(TDM)のタイミング遵守と、併用薬(抗菌薬・抗真菌薬・循環器薬等)変更時の確認を徹底する。