シラミ
概要
- シラミ(lice)はヒトに寄生する吸血性の外部寄生虫で、主に
- アタマジラミ(頭髪)
- ケジラミ(陰毛・体毛:性感染症として扱われることが多い)
- コロモジラミ(衣類に寄生:衛生環境と関連)
に分けられる
- 主症状は強いそう痒(かゆみ)で、掻破により湿疹化・二次感染(とびひ等)を起こすことがある
- アタマジラミは特に小児でみられ、接触(頭同士、寝具・帽子・ヘアブラシ等の共有)で伝播する
原因・病態(ポイント)
- 成虫が頭皮/皮膚から吸血し、虫体・唾液への反応でかゆみが生じる
- 卵(卵=nits)が毛幹に付着し、再感染・再燃の原因になる
- 体ジラミ(コロモジラミ)は衣類の縫い目などに寄生し、環境が整わない場合に持続しやすい
診断(目安)
- 虫体や卵の確認が基本
- アタマジラミ:耳後部〜後頭部に卵が多いことがある
- 卵はフケと似るが、毛に強く付着し動かしにくい
治療(薬物療法)
※国内での承認・製品、年齢制限、用法は添付文書/地域の指針に従う。
1) 第一選択になりやすい治療
- フェノトリン(ピレスロイド系)
- 例:アタマジラミ/ケジラミに使用される外用薬(シャンプー/ローション等:採用品による)
- 虫体に有効だが、卵に対する効果が不十分なことがあるため、
- 再処置(数日〜1週間後)
- くし(梳き取り)
が重要
2) 代替・追加(状況による)
- 抵抗性が疑われる、再燃を繰り返す、集団発生などでは
- 環境対策の徹底
- 再処置のタイミングの見直し
- 皮膚科/感染症科での評価
が必要になる
治療(非薬物)・感染対策
- 梳き取り:専用の細かいくしで卵・虫体を物理的に除去(特に治療期間中)
- 寝具・衣類:
- 洗濯(可能なら高温)や乾燥で対策
- 帽子・タオル・ヘアブラシの共有を避ける
- 同居家族/濃厚接触者:症状の有無に関わらず、頭髪チェックを行い、必要なら同時治療を検討
- ケジラミ:性感染として扱い、パートナーの評価・同時治療を検討
看護のポイント(観察・指導)
- かゆみ:治療後もしばらく残ることがある(炎症・湿疹化の評価)
- 二次感染:掻き壊し(膿痂疹、とびひ)を観察
- 正しい使用:
- 外用薬の塗布範囲・放置時間・すすぎ/洗い流しの手順
- 再処置の必要性(卵対策)
- スティグマ配慮:清潔不潔の問題だけではなく、接触で広がり得ることを説明し、過度な罪悪感を軽減
強い発赤・腫脹、膿、発熱、眼の症状(まつ毛への寄生が疑われる等)がある場合は受診を優先。