アスパラギナーゼ製剤
L-アスパラギンを分解する酵素製剤で、アスパラギン合成能が低い腫瘍細胞(主に急性リンパ性白血病:ALL など)の蛋白合成を阻害して抗腫瘍効果を示す。製剤(由来菌・PEG化)により半減期や過敏反応の出方が異なる。
- 主な適応:ALL(小児・AYAを含む)、リンパ芽球性リンパ腫など(レジメン依存)
- 重大リスク:過敏反応/アナフィラキシー、膵炎、凝固異常(血栓/出血)、肝障害、高血糖
- 反復投与で 抗体産生 により効果低下(サイレント不活化)を起こし得る(運用は施設方針に従う)
- 血中の L-アスパラギンをアスパラギン酸+アンモニアに分解
- 腫瘍細胞(ALLなど)はアスパラギン合成能が低いことが多く、外因性アスパラギン枯渇により
- 蛋白合成が障害
- 細胞増殖が抑制
- 細胞死へ
| 製剤カテゴリ | 一般名(例) | 特徴(要点) |
|---|---|---|
| 大腸菌由来 | L-アスパラギナーゼ | 標準的に用いられることが多い。過敏反応・不活化のリスクあり。 |
| PEG化(半減期延長) | ペグアスパルガーゼ | 投与間隔が長くなることが多い。過敏反応の出方やモニタリングは製剤特性を踏まえる。 |
| Erwinia由来(代替) | エルウィニア由来アスパラギナーゼ | 大腸菌由来で過敏反応/不活化が疑われる場合の代替として用いられることがある。 |
- 投与時反応(最重要):発疹、掻痒、喘鳴、呼吸困難、血圧低下(投与中〜直後)
- 膵炎:上腹部痛、背部痛、悪心・嘔吐(アミラーゼ/リパーゼ)
- 凝固異常(血栓/出血):
- 血栓:片側下肢腫脹・疼痛、呼吸困難、胸痛、神経症状
- 出血:紫斑、歯肉出血、血尿、消化管出血
- 検査:AT、フィブリノゲン、PT/INR、Dダイマー等(施設運用に従う)
- 肝障害:AST/ALT、Bil、黄疸
- 高血糖:口渇、多飲、多尿、意識変容(ステロイド併用で増悪しやすい)
- 感染兆候:併用化学療法に伴う骨髄抑制(血算、発熱:FN)
アスパラギナーゼ製剤は アナフィラキシー、膵炎、凝固異常(血栓/出血) が重大。投与中の呼吸苦・蕁麻疹・血圧低下、強い腹痛、急な神経症状/息切れ、出血兆候は緊急対応になり得るため、施設プロトコルに従い早期対応。