房水産生抑制

房水産生抑制薬

① 薬効群の概要

房水産生抑制薬は、毛様体での房水産生を減らして眼内圧(IOP)を低下させる緑内障治療薬。点眼薬が中心で、β遮断薬炭酸脱水酵素阻害薬(CAI)が代表。急性期や補助療法として浸透圧利尿薬を用いることもある。
  • 目的:眼圧下降(視神経障害の進行抑制)
  • 位置づけ:単剤または併用(房水流出促進薬と組み合わせが多い)
  • 注意点:全身性副作用(特にβ遮断薬)や、併用禁忌・基礎疾患(喘息/COPD、徐脈など)の確認が重要

② 作用機序

  • β遮断薬(点眼):毛様体のβ受容体を遮断 → 房水産生↓ → 眼圧↓
  • 炭酸脱水酵素阻害薬(CAI):毛様体の炭酸脱水酵素を阻害 → HCO₃⁻生成↓ → Na⁺/水の移動↓ → 房水産生↓ → 眼圧↓
  • 浸透圧利尿薬(内服/点滴):血漿浸透圧↑ → 眼内から血管内へ水を移動 → 眼圧↓(急性期)

③ 代表薬(例)

薬剤群代表薬(一般名)ポイント(要点)
β遮断薬(点眼)チモロール カルテオロール など全身性副作用(徐脈、低血圧、気管支攣縮など)に注意。喘息/COPD、房室ブロック等がある場合は要注意。
α2受容体作動薬(点眼)ブリモニジン など眠気、口渇、結膜充血など。小児は中枢抑制に注意(施設運用に従う)。
炭酸脱水酵素阻害薬(CAI)ドルゾラミド(点眼) ブリンゾラミド(点眼)局所刺激感、苦味など。内服CAIより全身副作用は少ない。
炭酸脱水酵素阻害薬(内服)アセタゾラミド急性期や補助療法。代謝性アシドーシス、低K、腎結石、しびれ感など。腎機能・電解質に注意。
浸透圧利尿薬マンニトール(点滴) グリセオール(内服/点滴)など急性緑内障発作などで使用。脱水、電解質異常、心不全の増悪などに注意。

④ 観察・指導ポイント

  • 点眼手技
    • 1回1滴、点眼後は閉瞼・涙嚢圧迫(全身移行を減らす目的で指導されることがある)
    • 複数点眼は5分以上あける(指示に従う)
  • β遮断薬(点眼)の全身性副作用
    • 徐脈、低血圧、めまい、倦怠感
    • 息苦しさ/喘鳴(気管支攣縮)
    • 低血糖症状のマスク(糖尿病患者で注意)
  • α2作動薬:眠気、口渇、ふらつき
  • CAI(内服):しびれ感、食欲低下、電解質異常(低K)、代謝性アシドーシス、腎機能
  • 定期受診:眼圧・視野・視神経評価(検査予定の確認)
⚠️
房水産生抑制薬は、点眼でも全身性副作用が起こり得る(特にβ遮断薬)。息苦しさ/喘鳴著しい徐脈、失神様症状などがあれば早めに受診・報告。急な眼痛・視力低下は緑内障発作などの可能性があるため緊急対応。