トルバプタン

効能変更、用法及び用量変更に伴う変更
(先発医薬品と同様の適応になるように変更されたため)

1. 警告

〈常染色体優性多発性のう胞腎〉
1.2 本剤は、常染色体優性多発性のう胞腎について十分な知識をもつ医師のもとで、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。また、本剤投与開始に先立ち、本剤は疾病を完治させる薬剤ではないことや重篤な肝機能障害が発現するおそれがあること、適切な水分摂取及び定期的な血液検査等によるモニタリングの実施が必要であることを含め、本剤の有効性及び危険性を患者に十分に説明し、同意を得ること。
1.3 特に投与開始時又は漸増期において、過剰な水利尿に伴う脱水症状、高ナトリウム血症などの副作用があらわれるおそれがあるので、少なくとも本剤の投与開始は入院下で行い、適切な水分補給の必要性について指導すること。また、本剤投与中は少なくとも月1回は血清ナトリウム濃度を測定すること。[8.18 参照][11.1.3 参照]
1.4 本剤の投与により、重篤な肝機能障害が発現した症例が報告されていることから、血清トランスアミナーゼ値及び総ビリルビン値を含めた肝機能検査を必ず本剤投与開始前及び増量時に実施し、本剤投与中は少なくとも月1回は肝機能検査を実施すること。また、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。[2.8 参照][8.15 参照][8.16 参照][11.1.5 参照][15.1.1 参照]

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

〈常染色体優性多発性のう胞腎〉
2.7 重篤な腎機能障害(eGFR 15mL/min/1.73m未満)のある患者[9.2.2 参照]
2.8 慢性肝炎、薬剤性肝機能障害等の肝機能障害(常染色体優性多発性のう胞腎に合併する肝のう胞を除く)又はその既往歴のある患者[1.4 参照][9.3.3 参照]

4. 効能又は効果

• 〈トルバプタンOD錠7.5mg「オーツカ」〉 ◦ ループ利尿薬等の他の利尿薬で効果不十分な心不全における体液貯留 ◦ ループ利尿薬等の他の利尿薬で効果不十分な肝硬変における体液貯留 ◦  腎容積が既に増大しており、かつ、腎容積の増大速度が速い常染色体優性多発性のう胞腎の進行抑制 • 〈トルバプタンOD錠15mg「オーツカ」〉 ◦ ループ利尿薬等の他の利尿薬で効果不十分な心不全における体液貯留 ◦  腎容積が既に増大しており、かつ、腎容積の増大速度が速い常染色体優性多発性のう胞腎の進行抑制

5. 効能又は効果に関連する注意

〈常染色体優性多発性のう胞腎〉
5.1 以下のいずれにも該当する場合に適用すること。
  • 両側総腎容積が750mL以上であること。
  • 腎容積増大速度が概ね5%/年以上であること。臨床試験には、両側腎容積750mL以上で、腎容積の増加が速いと推定される患者を組み入れた。[17.1.3 参照]
5.2 投与開始時のクレアチニンクリアランスが60mL/min未満の患者における有効性及び安全性は確立していない。臨床試験には、投与開始時のクレアチニンクリアランスが60mL/min以上の患者を組み入れた。[17.1.3 参照]

6. 用法及び用量

〈心不全における体液貯留〉
通常、成人にはトルバプタンとして15mgを1日1回経口投与する。
〈肝硬変における体液貯留〉
通常、成人にはトルバプタンとして7.5mgを1日1回経口投与する。
〈常染色体優性多発性のう胞腎〉
通常、成人にはトルバプタンとして1日60mgを2回(朝45mg、夕方15mg)に分けて経口投与を開始する。1日60mgの用量で1週間以上投与し、忍容性がある場合には、1日90mg(朝60mg、夕方30mg)、1日120mg(朝90mg、夕方30mg)と1週間以上の間隔を空けて段階的に増量する。なお、忍容性に応じて適宜増減するが、最高用量は1日120mgまでとする。
7. 用法及び用量に関連する注意
〈常染色体優性多発性のう胞腎〉
7.7 夜間頻尿を避けるため、夕方の投与は就寝前4時間以上空けることが望ましい。
7.8 CYP3A4阻害剤との併用は避けることが望ましい。やむを得ず併用する場合は、下表を参照し、本剤の用量調節を行うこと。[10.2 参照][16.7.1 参照][16.7.2 参照][16.7.3 参照]
8. 重要な基本的注意
〈常染色体優性多発性のう胞腎〉
8.14 本剤の使用にあたっては、適切な水分補給が必要なため、以下の点に注意すること。
  • 飲水能力の低下や飲水機会の制限により、十分に水分補給ができない場合は、本剤を減量あるいは休薬すること。
  • 用量を増量又は減量する時は、急激な体重変化に注意すること。
  • 増量直後には特に口渇、脱水などの症状に注意すること。
8.15 本剤の増量により副作用の発現頻度が高くなる傾向が認められていること、1日120mg投与時に重篤な肝機能障害の発現が認められていることから、高用量投与時には、特に肝機能障害をはじめとする副作用の発現に十分注意すること。[1.4 参照]
8.16 本剤の投与により、重篤な肝機能障害があらわれることがあるので、投与にあたっては患者に当該副作用について十分説明するとともに、症状がみられた場合には速やかに診察を受けるよう指導すること。[1.4 参照][11.1.5 参照][15.1.1 参照]
8.17 投与開始前に脱水症状が認められた場合は、脱水症状が増悪するおそれがあるので、症状が改善してから投与を開始すること。
8.18 高ナトリウム血症があらわれることがあるので、投与開始後の用量漸増期においては、来院毎に血清ナトリウム濃度を測定し、その後も本剤投与中は少なくとも月1回は測定すること。[1.3 参照][11.1.3 参照]
8.19 投与開始前に血清ナトリウム濃度を測定し、低ナトリウム血症が認められた場合は、急激な血清ナトリウム濃度の上昇により、浸透圧性脱髄症候群を来すおそれがあるので、低ナトリウム血症の原因を明らかにするとともに、血清ナトリウム濃度を補正し、慎重に本剤投与の適否を判断した上で、投与が適切と判断された場合に限り投与を開始すること。[11.1.4 参照]
8.20 本剤の投与により腎臓における尿酸クリアランスが減少するため、血中尿酸が上昇することがあるので、本剤投与中は血中尿酸値に注意すること。
8.21 失神、意識消失、めまい等があらわれることがあるので、転倒に注意すること。また、高所作業、自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。
8.22 本剤の投与により緑内障があらわれることがあるので、定期的に検査を行うことが望ましい。

9.2 腎機能障害患者

〈常染色体優性多発性のう胞腎〉
9.2.2 重篤な腎機能障害(eGFR 15mL/min/1.73m2未満)のある患者
投与しないこと。本剤の効果が期待できない。[2.7 参照]
9.2.3 重度の腎機能障害(クレアチニンクリアランス30mL/min未満)のある患者
減量すること。本剤の血漿中濃度が上昇する。[16.6.1 参照]
9.2.4 腎機能が低下している患者
利尿に伴う腎血流量の減少により腎機能が更に悪化するおそれがある。[11.1.1 参照]

9.3 肝機能障害患者

〈常染色体優性多発性のう胞腎〉
9.3.3 慢性肝炎、薬剤性肝機能障害等の肝機能障害(常染色体優性多発性のう胞腎に合併する肝のう胞を除く)又はその既往歴のある患者
投与しないこと。肝障害を増悪させるおそれがある。[2.8 参照]