バイオアベイラビリティ(生物学的利用率)

バイオアベイラビリティ(生物学的利用率)

バイオアベイラビリティ(Bioavailability, F)とは、投与した薬のうち、未変化体として全身循環(血液)に到達した割合を示す指標。
  • 静脈内投与(IV)は、直接血液に入るため F = 1(100%)
  • 経口投与(PO)は、吸収されない分や初回通過効果などがあるため、一般に F < 1 になりやすい

何で決まる?(Fが下がる主な理由)

① 吸収されない

  • 溶けにくい、腸の運動、食事、pH、キレート(Ca/Mg/Fe/Al)などで吸収が落ちる

② 腸管で代謝・排出される

  • 腸管壁での代謝(CYPなど)
  • P-gp などのトランスポーターで腸管内へ押し戻される

③ 肝初回通過効果(first-pass effect)

  • 門脈 → 肝臓を最初に通るときに代謝され、全身循環へ届く量が減る

臨床での意味(なぜ大事?)

  • 同じ“○mg”でも、投与経路が違うと効き方が違う
    • 例:経口と静注では必要量が変わる(静注の方が少量で効くことが多い)
  • 患者差が出やすい
    • 肝機能・腸管機能・相互作用・食事・下痢/便秘などで変動
  • 薬の選択・投与設計に直結
    • 初回通過効果が大きい薬は、舌下・貼付・注射など別経路が選ばれることがある

覚え方(超要点)

  • F = どれだけ血液に“入ったか”
  • 経口で F が下がる理由は「吸収されない+腸管+肝臓(初回通過)」

看護でのポイント

  • 服用方法(食事、飲み合わせ、剤形の扱い)で 吸収が変わる=Fが変わる
  • 「効かない/効きすぎ」のとき、ADME の視点で 吸収(A)と初回通過を疑う手がかりになる
 
生物学的利用率が低い薬剤の例)
ビスホスホネート製剤