05 事前学習(呼吸器薬・吸入療法・アナフィラキシー)

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  • 事前学習(15〜20分)のための要点整理です。
  • 対面授業では、ここで整理した内容を症例で「観察・判断・報告」につなげます。

到達目標(事前学習)

  1. 喘息とCOPDを「病態の違い」と「治療の狙い」の2軸で説明できる
  1. 呼吸器薬を「気管支拡張」と「抗炎症」に分け、代表薬の位置づけを説明できる
  1. pMDI / DPI / SMI / ネブライザーの特徴と、失敗しやすいポイントを1つずつ説明できる
  1. 湿性咳嗽で「咳を止める前に確認すること」を1つ挙げられる
  1. アナフィラキシーの主要徴候(皮膚・呼吸・循環・消化器)を挙げ、重症サインを説明できる

まず押さえる:喘息とCOPD(超要点)

  • 喘息:変動性のある気流制限(炎症が中核)→ ICSを含む治療が基本
  • COPD:持続性の気流制限(喫煙等)→ 気管支拡張薬+吸入指導が重要

喘息とCOPD:2×2で整理(治療の狙いに直結)

喘息COPD
気流制限変動性(可逆性がある)持続性(可逆性が乏しい)
治療の主軸炎症を抑える(ICSを含む)+必要に応じて気管支拡張気管支拡張+吸入指導(手技・継続)

呼吸器薬の地図(3分類)

1) 気管支を広げる(気道を開ける)

  • β₂刺激薬:気管支平滑筋を弛緩
  • 抗コリン薬:ムスカリン受容体を遮断
  • テオフィリン:相互作用・血中濃度に注意

2) 炎症を抑える(気道の腫れを引かせる)

  • 吸入ステロイド(ICS):気道炎症を抑える
  • 全身性ステロイド:重い増悪など
  • ロイコトリエン受容体拮抗薬:ロイコトリエン作用を抑える
  • 生物学的製剤:重症喘息など

3) 咳・痰へ作用する(目的を先に考える)

  • 鎮咳薬:咳反射を抑える
  • 去痰薬・喀痰調整薬:痰を出しやすくする

吸入デバイス:特徴とよくある失敗

デバイス特徴よくある失敗看護の観察ポイント
pMDI噴霧と吸気の同調が必要同調できない「押すタイミング」と吸い方
DPI吸気流で粉末を吸入吸気が弱い吸い始めの勢い
SMIゆっくり霧状噴霧手技が曖昧ゆっくり吸えているか
ネブライザー霧化した薬液マスク・時間途中中断、装置の管理

「効かない」を作る失敗 → 対策(まずここだけ)

よくある失敗何が起きる?まずやる対策(指導の要点)
吸入前に十分に息を吐けていない薬が奥まで入らない「吸う前に、いったん吐ききる」を練習
pMDI:押すのと吸うのが合わない口腔内に付着しやすい/効きが弱いゆっくり吸いながら押す/必要ならスペーサー検討
DPI:吸い込みが弱い粉末が舞わず入らない速く・強く吸い込む練習(1回で)
吸入後に息止めをしない気道内の沈着が減る可能なら数秒の息止めを確認

アナフィラキシー:覚えるべき“重症化の合図”

  • 皮膚:蕁麻疹、紅潮、掻痒
  • 呼吸:喘鳴、嗄声、呼吸困難
  • 循環:血圧低下、意識低下、ショック
  • 消化器:腹痛、嘔吐

初期対応:最短フロー(授業では症例で反復)

  1. まず助けを呼ぶ(チーム対応)+バイタル・SpO₂・意識を同時に見る
  1. **呼吸または循環の異常があれば「重症」**として、体位・酸素投与・アドレナリン(筋注)を優先
  1. 改善しても再燃(二相性反応)に注意して観察を継続(皮膚だけで安心しない)
対面授業では「いつアドレナリンを優先するか」を症例で確認します。