【第2回】薬理学【振り返り】
問2(経口製剤)
徐放製剤を粉砕して服用してはいけない理由として最も適切なのはどれか。
① 苦味が強くなるため
② 吸収されなくなるため
③ 一度に薬が放出され、血中濃度が急上昇するため
④ 腸でしか吸収されなくなるため
正答
正答:③ 一度に薬が放出され、血中濃度が急上昇するため
解説:
徐放製剤(徐放錠、CR、SR など)は、薬がゆっくり放出されるように加工されています。粉砕すると構造が壊れ、短時間に薬が一気に放出される(dose dumping)ため、
副作用が強く出る
血中濃度の急上昇→その後の急低下で効果が持続しない
など安全性・有効性の両面で問題になります。
①「苦味が強くなる」は起こり得ますが“最も適切”な理由ではありません。
問4(薬物相互作用)
ワルファリン服用中の患者が毎日納豆を食べ始めた場合、最も起こりやすい変化はどれか。
① ワルファリン作用が強くなり出血しやすくなる
② ワルファリン作用が弱くなり血栓ができやすくなる
③ 腎排泄が促進される
④ 半減期が短くなる
正答
正答:② ワルファリン作用が弱くなり血栓ができやすくなる
解説:
ワルファリンは、血液凝固に関与するビタミンK依存性凝固因子の働きを抑えて抗凝固作用を示します。納豆はビタミンKが多いため、摂取量が増えるとワルファリンの作用が相対的に弱まり、INRが下がり、血栓リスクが上がります。
ポイントは「食べたら即ダメ」というより、摂取量の変化(習慣化)がINRに影響することです(ただし納豆は影響が大きく、一般に避けるよう指導されます)。
問6(考える問題・別案)
症例
「薬が大きくて飲みにくいので、家族が毎回すりつぶして飲ませています。」
問題
この方法にはどのような問題がある可能性があるか。
また、看護師はまず何を確認・相談するとよいか書きなさい。
正答
起こり得る問題(例)
徐放製剤・腸溶錠を粉砕している可能性
→ 一気に放出/胃で壊れる/効き方が変わる/副作用増加
刺激性薬・苦味の強い薬で服薬困難が悪化、誤嚥リスク増
粉砕で薬が飛散し、家族が吸い込む/皮膚付着(抗がん薬等は特に注意)
用量の誤差(すべて飲めない、器具に付着)
配合変化(他の薬・食物に混ぜて不安定化)
看護師がまず確認・相談するとよいこと(流れ)
何の薬を、どの剤形で、どのように粉砕しているか(薬名・錠剤/カプセル/OD錠、回数、粉砕の手順)
そもそも粉砕可否(徐放/腸溶/外観表示)を薬剤師へ確認
代替案の検討
剤形変更(OD錠、散剤、シロップ、貼付、坐剤等)
規格変更(小さい錠剤にする、錠数調整)
服薬補助ゼリーや一包化、服薬姿勢/嚥下評価 など
本人の嚥下状態(むせ、湿性嗄声、食事形態)も併せて評価し、多職種連携
答案例(目安):
「徐放錠や腸溶錠を粉砕すると作用や副作用が変わる危険がある。まず薬名と剤形、粉砕の有無を確認し、薬剤師へ粉砕可否と剤形変更を相談する。」