【第1回】薬理学【振り返り】

1. 医療の目的として最も適切なのはどれか。

  • 病気だけを治すこと
  • 国民の健康の保持増進
  • 医薬品を販売すること
  • 医療費を削減すること
正答
正答:国民の健康の保持増進
解説:
医療の目的は、個人だけでなく社会全体として「健康を守り、病気を予防し、回復を支え、生活の質(QOL)を高めること」です。治療(病気を治す)だけが目的ではなく、予防・早期発見・リハビリ・健康教育なども含めた広い概念です。
「病気だけを治すこと」:医療の一部(治療)に限った表現で、目的としては狭い
「医薬品を販売すること」:医療の目的ではなく手段でもない(商業活動)
「医療費を削減すること」:大切な課題ではあるが、医療の最優先目的そのものではない

2. 風邪薬を飲んで熱や鼻水を和らげる治療はどれか。

  • 原因療法
  • 対症療法
  • 予防療法
  • 補充療法
正答
正答:対症療法
解説:
風邪薬(総合感冒薬など)は、原因(多くはウイルス)そのものを排除するというより、症状(熱、鼻水、咳、のどの痛み)を軽くして楽にすることが目的です。これが対症療法です。
原因療法:原因そのものに介入する(例:細菌性肺炎に抗菌薬、インフルエンザに抗インフルエンザ薬)
予防療法:発症を防ぐ(例:ワクチン、マラリア予防内服など)
補充療法:体内で不足するものを補う(例:インスリン、甲状腺ホルモン、鉄剤、ビタミンB1など)

3. 副作用の説明として正しいものはどれか。

  • 薬の有害な作用のみを指す
  • 主作用以外の作用を指す
  • 医療事故と同じ意味である
  • 必ず治療を中止しなければならない
正答
正答:主作用以外の作用を指す
解説:
副作用は「主作用(期待している治療効果)」以外に出る作用の総称で、有害なものだけを指すわけではありません。
例)抗ヒスタミン薬の主作用はアレルギー症状改善だが、眠気が出るのは副作用。
「薬の有害な作用のみを指す」:×(副作用には有益なこともありうる。臨床では有害事象として扱うことが多いが定義は“主作用以外”)
「医療事故と同じ意味」:×(医療事故は過誤など別概念)
「必ず治療を中止」:×(程度により減量・経過観察・対処薬追加など選択肢がある)

4. プラセボ効果とはどれか。

  • 有効成分による薬理作用
  • 薬物相互作用
  • 期待や安心感による症状の改善
  • 副作用による症状の悪化
正答
正答:期待や安心感による症状の改善
解説:
プラセボ効果は、薬理学的に有効成分がなくても、「効くはず」という期待・安心感・治療を受けているという体験によって症状が軽くなる現象です。
臨床試験で「薬そのものの効果」を評価するために、プラセボ群と比較します。
「有効成分による薬理作用」:×(それは通常の薬効)
「薬物相互作用」:×(薬同士の影響)
「副作用による症状悪化」:×(これはノセボ効果に近い概念)

5. 高齢者に薬を使用する際に注意が必要な理由として最も適切なのはどれか。

  • 薬が全く効かなくなるため
  • 副作用が出やすくなるため
  • 薬を吸収できなくなるため
  • 必ず薬物アレルギーが起こるため
正答
正答:副作用が出やすくなるため
解説:
高齢者は、加齢により薬物動態(吸収・分布・代謝・排泄)薬物感受性が変化し、副作用が起きやすくなります。
代表例(イメージ)
腎機能低下 → 薬が体内にたまりやすい(排泄が遅い)
肝代謝の低下 → 代謝されにくい薬で血中濃度が上がる
体組成変化(筋肉↓、体水分↓、脂肪↑)→ 水溶性/脂溶性薬で効き方が変わる
多剤併用(ポリファーマシー)→ 相互作用・転倒/せん妄など増える
他の選択肢が不適切な理由
「薬が全く効かなくなる」:一般化しすぎ
「吸収できなくなる」:吸収の変化より、代謝・排泄・感受性の影響が大きいことが多い
「必ず薬物アレルギー」:必ず、は誤り

6. 副作用を説明するとき、どのような伝え方が望ましいか。あなたの考えを50字程度で記載しなさい。

解説
解説:
望ましい伝え方は、「不安を煽らず、必要な注意は具体的に」「起きた時の対応(受診目安・連絡先)までセットで」「頻度や重症度の差を整理して」伝えることです。