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便秘症

便秘症

便秘症とは

排便回数の減少だけでなく、硬便・強いいきみ・残便感・排便困難などが続き、日常生活に支障を来す状態。排便回数のみではなく、本人のつらさやQOLを含めて評価する。

病態:便の通過と排出の障害

💡
便秘症では、次の病態が単独または褡数重なって起こる。
  • 大腸通過遅延:腸管運動が低下し、便の水分が過剰に吸収されて硬くなる
  • 正常通過型:通過時間が正常でも、硬便や残便感などを自覚する
  • 便排出障害:直腸・肛門や骨盤底筋がうまく協調せず、便を出しにくい
水分・食物繊維不足、運動不足、加齢、ストレス、薬剤、基礎疾患なども関与する。

主な症状

症状内容
排便回数の減少排便間隔が長くなる。回数だけでなく、普段からの変化も確認する
硬便硬く乾燥した便や、コロコロした便がみられる
排便困難強くいきむ、排便に時間がかかる、肛門付近で詰まる感じがある
残便感排便後も便が残っているように感じる
腹部症状腹部膨満感、腹痛、食欲低下などを伴うことがある
⚠️
受診を優先する症状
  • 血便・黒色便、発熱、急な強い腹痛、嘔吐、体重減少、貧血
  • 急に始まった便秘、便が極端に細い、便秘と下痢を繰り返す場合

治療

生活習慣・排便環境の調整

  • 食事、水分、運動、排便習慣を見直す
  • 便意を我慢せず、落ち着いて排便できる時間を確保する
  • 食物繊維は病態によって症状を悪化させることがあるため、状態に応じて調整する

薬物治療

薬効群代表薬作用・特徴
浸透圧性下剤酸化マグネシウム ポリエチレングリコール ラクツロース腸管内に水分を保持して便を軟らかくする。酸化マグネシウムは腎機能低下時の高マグネシウム血症に注意
刺激性下剤センノシド ピコスルファート大腸を刺激して蠕動を促す。連用を避け、原則として頓用・短期間を中心に使用する
上皮機能変容薬ルビプロストン リナクロチド腸管内への水分分泌を促し、便を軟らかくして通過を改善する
胆汁酸トランスポーター阻害薬エロビキシバット大腸内の胆汁酸を増やし、水分分泌と大腸運動を促進する
直腸刺激薬坐薬 浣腸直腸に便が貯留した場合などに用いる。頻回使用や誤った使用に注意する

治療薬の作用点まとめ

💡
  • 便を軟らかくする → 浸透圧性下剤、上皮機能変容薬
  • 大腸運動を促す → 刺激性下剤、胆汁酸トランスポーター阻害薬
  • 直腸に貯留した便を出す → 坐薬・浣腸
  • 原因薬剤や基礎疾患がある場合は、その見直し・治療も行う

看護のポイント(観察事項)

🩺
  • 排便状況の確認:回数だけでなく、便の硬さ・量・いきみ・残便感を記録
  • 腹部症状の観察:腹痛、膨満、嘔気・嘔吐、腸蠕動音を確認
  • 水分・食事・活動量の確認:摂取不足、活動低下、排便環境を評価
  • 原因薬剤の確認:オピオイド、抗コリン薬、鉄剤、カルシウム拮抗薬など
  • 下剤の効果と副作用:下痢、腹痛、脱水、電解質異常を観察
  • 酸化マグネシウム使用時:腎機能と高マグネシウム血症の症状に注意
  • 患者教育:下剤の自己増量・連用を避け、危険サインがあれば受診するよう説明

便秘症の分類

原因による分類
分類内容
原発性(機能性)便秘明らかな器質的疾患がなく、大腸通過遅延や排出障害などで起こる
器質性便秘大腸がん、腸管狭窄、腸閉塞など、腸管の構造的異常で起こる
症候性便秘糖尿病、甲状腺機能低下症、神経疾患などに伴って起こる
薬剤性便秘オピオイド、抗コリン薬、鉄剤、カルシウム拮抗薬などが原因となる
病態による分類
種類特徴
弛緩性便秘腸の動きが弱い
痙攣性便秘腸が過剰に収縮する
直腸性便秘便意を感じにくい