ホスホジエステラーゼⅢ阻害薬

ホスホジエステラーゼⅢ(PDE3)阻害薬

① 薬効群の概要

  • 心筋の収縮力を高める強心作用と、血管を広げる血管拡張作用をあわせ持つ薬(inodilator)。
  • 主に急性心不全や慢性心不全の急性増悪など、短期間の血行動態改善に用いる。
  • β受容体を介さずに作用するため、β遮断薬使用中やカテコラミンが効きにくい状態でも効果が期待できる

② 作用機序

  • PDE3を阻害しcAMPの分解を抑える → 細胞内cAMP↑
    • 心筋:細胞内Ca↑ → 収縮力増強(陽性変力作用)
    • 血管平滑筋:弛緩 → 血管拡張(前負荷・後負荷↓)
  • 結果として心拍出量↑+心負荷↓
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重要:強心と血管拡張をあわせ持つ「inodilator」。cAMPを上げるため心室性不整脈や血圧低下を起こしうる。経口薬の長期投与では予後悪化の懸念があり、主に急性期の短期使用が基本。

③ 代表薬

代表薬(一般名)先発品例特徴
ミルリノンミルリーラ注射剤。急性心不全に持続静注。腾排泄のため腾機能低下時は減量
オルプリノンコアテック注射剤。急性心不全に持続静注
ピモベンダンアカルディ経口。PDE3阻害に加えCa感受性増強作用も持つ

④ 看護のポイント(観察事項)

  • 循環動態:血圧(低下)、心拍数、尿量、末梢循環
  • 心電図:心室性不整脈(期外収縮・心室頻拍など)
  • 検査:腾機能(ミルリノンは腾排泄)、血小板数(ミルリノンで減少しうる)、電解質
  • 投与管理:持続静注の投与速度/ポンプ設定のダブルチェック、ルート管理
  • 併用薬:カテコラミン等との併用による不整脈・過度の血圧変動に注意
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補足:同じPDE3阻害薬でもシロスタゾール(プレタール)は抗血小板・末梢血管拡張目的で用いられ、用途が異なる(うっ血性心不全には使用しない)。