PPI
PPI vs H2RA
内視鏡止血治療後の酸分泌抑制薬
PPI の方が
- 再出血率が低い
- 輸血量が少ない
- 入院期間が短い
- 外科手術への移行率は低い
- 死亡率は、PPI と H2RA で差はない
内視鏡止血治療後の酸分泌抑制薬(消化性潰瘍診療ガイドライン2020)
抗血栓薬使用者の出血性潰瘍予防
抗血小板剤2剤併用療法(DAPT)
- UGIB(上部消化管出血) の予防には、PPI が優れていた(PPI>PG製剤, H2RA)
- MACE(上部消化管出血)には差はなかった
【注意】保険適用
DOAC
- DOAC 服用例における酸分泌抑制薬(PPI, H2RA)の UGIB 予防効果は有意ではなかった
抗血栓薬使用者の出血性潰瘍予防(消化性潰瘍診療ガイドライン2020)
NSAID 潰瘍の発生予防
NSAIDs 3週間以上投与例での予防
- 出血などの潰瘍合併症の予防:PG 製剤
- 症状を有する胃潰瘍・十二指腸潰瘍の予防:PPI, PG 製剤
- 内視鏡的な胃潰瘍・十二指腸潰瘍の予防:PPI, PG 製剤, H2RA
NSAID 潰瘍の発生予防・潰瘍既往歴なし(消化性潰瘍診療ガイドライン2020)
NSAID 潰瘍の発生予防・潰瘍既往歴あり(消化性潰瘍診療ガイドライン2020)
NSAID 潰瘍の発生予防・リスク因子あり(消化性潰瘍診療ガイドライン2020)
低用量アスピリンによる消化性潰瘍の予防(消化性潰瘍診療ガイドライン2020)
低用量アスピリンによる上部消化管出血の抑制(消化性潰瘍診療ガイドライン2020)
低用量アスピリンによる上部消化管出血の再出血の抑制(消化性潰瘍診療ガイドライン2020)
低用量アスピリンによる消化性潰瘍の予防・潰瘍既往歴あり(消化性潰瘍診療ガイドライン2020)
低用量アスピリンによる消化性潰瘍の予防・潰瘍既往歴なし(消化性潰瘍診療ガイドライン2020)
PPI
投与時点 食後 vs 食前
PPI の服用時点は「1日1回」(電子添文)であり、「食後」か「食前」かを工夫することは、可能。
<薬理作用の特徴>
<薬物動態の特徴>
①食前投与の方が、AUC, Cmax は大きい(「胃内 pH に対する影響はないため、臨床効果に対する食事の影響はない」と IF には記載)
- エソメプラゾール:食前>食後(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/12389067/)
- オメプラゾール:食前>食後
- ラベプラゾール:食前>食後(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32711578/)
食事の影響
②Tmax は2時間程度。食後にプロトンポンプが活性化されるタイミングと、PPI のCmax を合わせるためには、食前が効果的ではないか、とされている。
→PPI の PK/PD
食事のタイミングに合わせて服用すると効果的。そのために、「食前投与」も行われる。
・日中の胃酸分泌抑制→朝食前が好ましい
・夜間胃酸分泌抑制 →夕食前や眠前投与が好ましい
「胃潰瘍は夜作られる」として、H2RA を就寝前に服用するのが効果的とされるが、PPI は日中、特に食事時に服用するのが効果的
Bai AD, Wilkinson A, Almufleh A, Rai M, Razak F, Verma AA, Srivastava S. Ceftriaxone and the Risk of Ventricular Arrhythmia, Cardiac Arrest, and Death Among Patients Receiving Lansoprazole. JAMA Netw Open. 2023 Oct 2;6(10):e2339893. doi: 10.1001/jamanetworkopen.2023.39893. PMID: 37883084; PMCID: PMC10603497.