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PDE5阻害薬

ひとことで

肺血管を広げるNO–cGMP経路を強め、肺血管抵抗を下げる薬効群です。主に肺動脈性肺高血圧症で用いられ、エンドセリン受容体拮抗薬などと併用されることがあります。[1]

どう効く?

作用点

ホスホジエステラーゼ5(PDE5)を阻害し、血管平滑筋内のcGMP分解を抑えます。

因果関係

PDE5を阻害 ↓ cGMPが分解されにくくなる ↓ 肺血管平滑筋が弛緩する ↓ 肺血管抵抗が低下し、右心室の負担が軽くなる

主な薬

シルデナフィル、タダラフィルなど。タダラフィルは肺動脈性肺高血圧症に対して1日1回投与され、6分間歩行距離や肺血行動態の改善が検討されています。[2]

主な用途

  • 肺動脈性肺高血圧症
  • 肺血管抵抗の低下と運動耐容能の改善
  • リスク評価に基づく他系統薬との併用療法
硝酸薬との併用は、過度の血圧低下を起こすおそれがあるため避けます。また、リオシグアトなどsGC刺激薬との併用にも注意が必要です。

患者さんには、どう説明する?

説明例

「肺の血管を広げる体内の仕組みを長く働かせて、肺の血圧を下げ、心臓の右側の負担を軽くする薬です。頭痛やふらつきが出ることがあるため、立ち上がりや運動時の変化を伝えてください。」

薬理作用から、どんな副作用が考えられる?

cGMPの増加 ↓ 血管拡張と血圧低下 ↓ 頭痛、顔面紅潮、鼻閉、めまい、低血圧
消化器症状、動悸、視覚異常などが起こることがあります。肺高血圧症患者では、単なる副作用か病状悪化かを、SpO₂、息切れ、失神、浮腫などと合わせて評価します。

患者では何を見る?

  • 効果:息切れ、運動耐容能、6分間歩行、SpO₂、失神・胸痛の頻度
  • 見逃したくない変化:失神、著しい低血圧、急な呼吸困難、視覚の異常、胸痛
  • 検査:血圧、心拍数、腎機能、肝機能、心エコー、BNP/NT-proBNPなど
  • 生活5領域:食事・頭痛による摂取低下、排泄、睡眠、活動時の息切れ・ふらつき、認知機能・服薬管理
  • +α:硝酸薬・sGC刺激薬との併用、脱水、起立性低血圧、他の降圧薬

関連する薬効群

  • エンドセリン受容体拮抗薬
  • sGC刺激薬
  • プロスタサイクリン系薬
  • 硝酸薬:併用禁忌・相互作用を考える薬効群

参考資料

  • 日本循環器学会『2025年改訂版 肺血栓塞栓症・深部静脈血栓症および肺高血圧症に関するガイドライン』[1]
  • PMDA 添付文書(タダラフィル:肺動脈性肺高血圧症)[2]