10|「LSIL」「HSIL」って何?

10|「LSIL」「HSIL」って何?

この回の中心は、**「LSIL・HSILは細胞診の判定。CIN1・2・3は組織診の分類。同じものではない」**に置くのがよい。
09のASC-USから一段進めつつ、Chapter 1で学んだCINとここで再接続する回になる。

Scene 1|LSIL・HSILって何?

画面:
細胞診の結果に
LSIL / HSIL
これって、何を表している?
結果票に「LSIL」「HSIL」を表示し、Chapter 1で使ったCINの模式図を薄く背景に置く。
ナレーション:
「細胞診の結果で見かける『LSIL』『HSIL』。これは何を表しているのでしょうか?」
ここではまだCINと結びつけない。

Scene 2|「SIL」とは?

まず共通するSILを説明する。
画面:
SIL
Squamous Intraepithelial Lesion
扁平上皮内病変
そして、
LSIL = Low-grade
HSIL = High-grade
日本語では、
LSIL|軽度扁平上皮内病変
HSIL|高度扁平上皮内病変
ナレーション:
「SILは『扁平上皮内病変』を意味します。LSILは軽度、HSILは高度の扁平上皮内病変を示す、細胞診の判定です。」
読み方は、
LSIL:エル・シル
HSIL:エイチ・シル
として扱えばよい。

Scene 3|LSILとHSIL、何が違う?

ここでは「低い/高い」を、単純なステージとして見せない。
画面:
LSIL
比較的軽度の変化を示す
細胞がみられる
HSIL
より高度な変化を示す
細胞がみられる
中央に、
細胞診でみられた 細胞の変化を分類
ナレーション:
「LSILとHSILは、採取した細胞にみられる変化を、その特徴から分類したものです。HSILでは、より高度な上皮内病変が疑われます。」
「HSIL=がん」とはしない。
画面の隅に、
HSIL ≠ 浸潤がん
と入れてもよい。

Scene 4|LSIL=CIN1?

ここが今回の最重要Sceneになる。
画面いっぱいに、
LSIL = CIN1?
HSIL = CIN2・3?
同じものではありません。
その下を明確に分ける。
細胞診
採取した細胞を観察
LSIL / HSIL
対して、
組織診
採取した組織を観察
CIN1 / CIN2 / CIN3
ナレーション:
「ここは大切です。LSIL・HSILは細胞診の判定です。一方、CIN1・2・3は組織診で使われる分類です。同じ検査の結果ではありません。」
Chapter 1の04がここで回収される。

Scene 5|でも、関係はある

「別物」と言い切って終わると、今度は「まったく無関係」と誤解されるので、ここまで説明したい。
画面:
同じではない。 でも、関係はあります。
模式的に、
LSIL
→ CIN1などがみられることがある
HSIL
→ CIN2・3などの高度病変が疑われる
ただし、「LSIL→CIN1」「HSIL→CIN2/3」という一対一対応の矢印にはしない
ナレーション:
「細胞診と組織診の分類は同じではありませんが、互いに関係しています。細胞診で異常がみられた場合、必要に応じて精密検査を行い、組織を詳しく調べます。」
ここからChapter 3「要精密検査」への伏線も張れる。

Take Home

最後に残すなら、この2行が最も重要だ。
LSIL・HSILは、細胞診。
CIN1・2・3は、組織診。
さらに、
LSIL・HSIL ≠ がんのステージ
まで添えてもよい。

1点、医学的にさらに厳密にするなら

「LSIL・HSIL=細胞診、CIN=組織診」はこの一般向けシリーズでは非常に有用な整理だが、用語体系としては少し単純化している。
LSIL/HSILという二段階分類は、Bethesda Systemの細胞診だけに閉じた概念ではなく、組織病理でも扁平上皮内病変をLSIL/HSILとして分類する体系がある。組織学的には概ね、
LSIL ≈ CIN1
HSIL ≈ CIN2・CIN3
という対応関係があるが、完全な一対一対応として扱うべきではない。
したがって動画では、
「検診の細胞診結果に書かれたLSIL・HSIL」と、精密検査後の「CIN1・2・3」は同じ診断名ではない
という文脈で説明するのが最も安全だ。
そしてScene 5を、
では、細胞診で異常が見つかったら、 次に何をする?