03|前がん病変 ≠ 浸潤がん

03|前がん病変 ≠ 浸潤がんは、02で「前がん病変」を知った次に、「では浸潤がんとは何が違うのか」を“基底膜”という境界で理解する回にするとよい。CIN1・2・3の詳しい説明は次回以降に残す。

Scene 1|前がん病変は、浸潤がん?

前回からつなげる。
画面:
前がん病変は、 浸潤がんと同じ?
前がん病変と浸潤がんを左右に置き、中央に「?」。
ナレーション:
「前がん病変といわれたら、もう子宮頸がんになったということなのでしょうか?」
ここでは「がん?」ではなく、あえて**「浸潤がん?」**とする。

Scene 2|大きな違いは「浸潤」

今回の新しい概念を1つだけ提示する。
画面:
ポイントは「浸潤」
異常な細胞が
周囲の組織へ入り込むこと
模式図では上皮とその下の組織を描き、その境界に一本の線を置く。
基底膜
ナレーション:
「大きな違いのひとつが、『浸潤』です。浸潤とは、異常な細胞が周囲の組織へ入り込んでいくことです。」
「広がる」だけだと上皮内での病変拡大とも取れるので、**「周囲の組織へ入り込む」**の方がよい。

Scene 3|境界になる「基底膜」

ここをシリーズのキービジュアルにする。
画面の中央を横切る一本の線。
そして、
基底膜
上皮と、その下の組織を
隔てる境界
ナレーション:
「子宮頸部の上皮と、その下の組織との境界には、『基底膜』があります。」
細かな組織学を教える回ではないので、基底膜の構成成分などには触れない。

Scene 4|前がん病変と浸潤がん

ここで初めて比較する。
画面は左右比較が分かりやすい。
前がん病変
異常な細胞は基底膜の上。
対して、
浸潤がん
基底膜を越えて下方へ入り込む。
中央に大きく、
前がん病変 ≠ 浸潤がん
ナレーション:
「前がん病変と浸潤がんは同じではありません。浸潤がんでは、がん細胞が基底膜を越えて、その下の組織へ入り込んでいます。」
このSceneでは「前がん病変はがんではありません」と言い切らない。**「浸潤がんとは異なる」**に留めるのが重要だ。

Scene 5|なぜ区別するの?

最後に「単なる言葉の違いではない」と伝える。
画面:
「浸潤しているか」は、 大切な違い。
その下に、
病変の評価や
その後の対応にも関わります。
そして次回への導線:
では、CIN1・2・3は 何が違う?
次回|CINの数字の意味
ナレーション:
「浸潤しているかどうかは、病変を考えるうえで大切な違いです。では、CIN1、CIN2、CIN3は何が違うのでしょうか?」

この回で特に避けたい表現

  • *「基底膜を越えていない=前がん病変、越えた=がん」**とだけ説明するのは避けたい。
一般向け模式図としては分かりやすいが、病理学的には上皮内病変の分類・用語には歴史的変遷があり、CIN3には従来「上皮内癌」とされた病変も含まれる。そのため、この回のメインメッセージは、
前がん病変は、浸潤がんと同じではない。
「浸潤」とは、基底膜を越えて下の組織へ入り込むこと。
この2点に限定するのがよい。