抗利尿ホルモン

薬効群名

① 薬効群の概要

  • 抗利尿ホルモン(ADH/バソプレシン)は下垂体後葉ホルモンで、腎臓での水再吸収を増やし尿量を減らす
  • 薬としては、バソプレシン(V1・V2作用)と、腎臓選択性を高めたデスモプレシン(主にV2作用)などを用いる。
  • 主な用途:中枢性尿崩症、(デスモプレシンは)夜尿症夜間多尿血友病A/von Willebrand病の出血予防、(バソプレシンは)食道静脈瘤出血の止血補助や血管拡張性ショックの昇圧補助など。

② 作用機序

  • V2受容体(腎集合管)刺激 → アクアポリン2の発現・移行↑ → 水再吸収↑ → 尿量↓(抗利尿作用)。
  • V1受容体(血管平滑筋)刺激 → 血管収縮 → 血圧↑(主にバソプレシンで臨床的に意識する)。
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重要:最大の注意点は水貯留→低Na血症(水中毒)です。 頭痛・悪心・傾眠・けいれんなどがあれば重症低Na血症を疑い、飲水量・尿量・Naを確認し、速やかに報告します。

③ 代表薬

代表薬(一般名)先発品例特徴
デスモプレシンデスモプレシン点鼻液/OD錠 など主にV2作用。中枢性尿崩症、夜尿症、夜間多尿など。低Na血症に注意。
バソプレシンピトレシン® などV1・V2作用。昇圧(血管収縮)や止血補助などで用いることがある。

④ 看護のポイント(観察事項)

  • 水中毒/低Na血症:頭痛、悪心、倦怠感、傾眠、意識変容、けいれん。飲水量制限の指示がある場合は遵守支援。
  • 入出量:尿量、体重、浮腫、口渇の有無。尿崩症では「尿量↓・口渇↓」が効果の目安。
  • バイタル:血圧(特にバソプレシン投与時)、脈拍。
  • 基礎疾患の症状:夜尿・多尿の改善、出血傾向(適応がある場合)など。
  • 投与経路の管理:点鼻は手技、内服は水分摂取量、注射はポンプ管理・投与速度と循環動態を確認。
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補足
  • 腎臓(V2)で水を戻す」が基本。副作用は「水を戻しすぎる=低Na」で整理すると覚えやすいです。