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3.ミニ講義
感染症治療の基本的な流れ
この流れの各段階で、看護師が観察・確認する事項がある。
抗菌薬投与前
- 感染部位と症状
- バイタルサイン、意識、呼吸・循環状態
- 薬剤アレルギー歴
- 腎機能・肝機能
- 体重
- 直近の抗菌薬使用歴
- 併用薬
- 培養検体の採取状況
- 投与量、投与経路、投与速度
「ペニシリンアレルギーあり」という記録だけでなく、次を具体的に確認する。
- どの薬だったか
- どのような症状だったか
- 投与後どのくらいで起きたか
- 呼吸困難や血圧低下があったか
- いつの出来事か
抗菌薬投与後
治療効果
- 体温だけでなく全身状態
- 呼吸数、SpO₂、酸素投与量
- 血圧、脈拍
- 意識状態
- 食事・水分摂取
- 咳、喀痰、疼痛などの症状
- 炎症反応の推移
- 培養・感受性結果
副作用
- 発疹、呼吸困難、血圧低下
- 悪心・嘔吐・下痢
- 腎機能障害
- 肝機能障害
- 血球減少
- 薬剤ごとの特徴的な副作用
5.症例演習
第1段階|抗菌薬投与前
82歳男性。38.7℃の発熱、湿性咳嗽、呼吸困難がある。呼吸数28回/分、SpO₂ 89%(室内気)、脈拍108回/分、血圧104/62 mmHg。普段より反応が鈍い。胸部画像で肺炎像が認められた。eGFR 32 mL/min/1.73㎡。血液培養・喀痰培養と静脈内抗菌薬が指示された。診療録には「ペニシリンアレルギー」とだけ記載されている。
Q1|この患者で優先して評価することは何か
- 呼吸状態と酸素化
- 意識状態
- 循環状態
- 感染症の重症度
- 敗血症への進行可能性
Q2|抗菌薬投与前に確認することは何か
- アレルギーの具体的な内容
- 培養検体の採取状況
- 腎機能
- 体重と投与量
- 併用薬
- 過去の抗菌薬使用歴
- 投与経路、投与速度
- 投与開始時刻
Q3|培養採取が完了するまで投与を待つべきか
原則として、可能なら抗菌薬投与前に適切な検体を採取する。
ただし、この患者は低酸素血症、頻呼吸、意識変化があり、治療の緊急性が高い。検体採取によって抗菌薬開始を不当に遅らせてはならない。