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3.抗精神病薬
作用の基本
中脳辺縁系のドパミンD₂作用を抑える
↓
幻覚・妄想などの陽性症状を改善する
一方で、他のドパミン経路も遮断すると副作用が起こる。
| ドパミン経路 | 遮断による主な影響 |
|---|---|
| 黒質線条体系 | 錐体外路症状 |
| 漏斗下垂体系 | 高プロラクチン血症 |
| 中脳皮質系 | 陰性症状・認知機能への影響 |
| 化学受容器引金帯 | 制吐作用 |
主要な副作用
錐体外路症状
| 症状 | 特徴 |
|---|---|
| 急性ジストニア | 頸部・眼球・顎などの異常な筋収縮 |
| アカシジア | じっとしていられない、足を動かし続ける |
| 薬剤性Parkinson症候群 | 動作緩慢、筋強剛、振戦 |
| 遅発性ジスキネジア | 口・舌・顔面などの反復運動 |
アカシジアは「落ち着きがない」「病状が悪化した」と誤認されやすい。
その他
- 眠気・鎮静
- 起立性低血圧
- 抗コリン作用
- QT延長
- 体重増加
- 高血糖・脂質異常
- 高プロラクチン血症
- 悪性症候群
12.症例2|抗うつ薬開始後の希死念慮
24歳女性。うつ病で抗うつ薬を開始して1週間。以前より会話量と活動性は少し増えた。「消えてしまいたい。薬を全部飲めば死ねるかもしれない」と話した。
Q1|直接、自殺について尋ねてもよいか
必要である。曖昧にせず、落ち着いて確認する。
- 死にたい気持ちはあるか
- 具体的な方法を考えているか
- 実行する予定時刻はあるか
- 手段を入手できるか
- 過去の自傷・自殺企図はあるか
- 一人になる予定があるか
- 支えになる人・理由はあるか
Q2|「元気が出てきたので改善」と判断してよいか
判断できない。活動性が先に改善し、抑うつ気分や希死念慮が残っている可能性がある。
Q3|対応
- 一人にしないなど安全を確保する
- 薬や刃物などへのアクセスを確認する
- 発言を否定・説教しない
- 具体的内容を速やかに医療チームへ共有する
- 家族・支援者との連携を検討する
- 継続的に希死念慮を評価する
13.症例3|睡眠薬と転倒・せん妄
83歳男性。入院後の不眠に対して睡眠薬が追加された。深夜にベッドから立ち上がって転倒した。翌朝は眠気が強く、「ここは自宅だ」と話している。
Q1|何を考えるか
- 睡眠薬による鎮静・筋弛緩
- 夜間せん妄
- 起立性低血圧
- 薬物蓄積
- 感染、低酸素、疼痛、尿閉、便秘
- 環境変化
- 頭部外傷
Q2|確認することは何か
- 睡眠薬の種類、量、服用時刻
- 追加服用
- 併用する鎮静薬
- 飲酒
- 呼吸・SpO₂
- 血圧
- 意識・見当識
- 疼痛、排尿、排便
- 転倒時の頭部打撲
- 腎・肝機能
Q3|薬を急に中止すればよいか
長期服用している薬では離脱症状が起こる可能性がある。一律に急中止するのではなく、薬剤、使用期間、依存・離脱リスクを整理して治療の見直しにつなげる。