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1.免疫抑制薬・生物学的製剤
薬剤名を網羅するのではなく、作用点で整理する。
| 薬効群 | 主な作用 | 重要な観察 |
|---|---|---|
| カルシニューリン阻害薬 | T細胞活性化・サイトカイン産生を抑制 | 感染、腎機能、血圧、血中濃度 |
| 代謝拮抗薬 | 免疫細胞の増殖を抑制 | 骨髄抑制、肝・腎機能、感染 |
| 生物学的製剤 | TNF、IL、B細胞など特定標的を阻害 | 感染、結核、B型肝炎再活性化、投与時反応 |
| JAK阻害薬 | 細胞内サイトカインシグナルを阻害 | 重症感染、帯状疱疹、血球、血栓症など |
考え方は共通している。
免疫反応を抑える
↓
炎症・組織障害が軽減する
↓
一方で感染防御も低下する
↓
発熱、咳、呼吸困難、皮膚病変などを早期に確認する
生物学的製剤では感染症に加え、潜在性結核やB型肝炎の確認が重要になる。薬剤ごとに注意点が異なるため、「生物学的製剤は全部同じ」とは扱わない。日本リウマチ学会
看護で見ること
- 体温だけでなく、咳・痰・倦怠感・息苦しさ
- 皮膚の発赤、水疱、疼痛
- 口腔内や排尿時の症状
- 白血球数・好中球数
- 腎機能・肝機能
- 最終投与日と次回投与予定日
- 併用するステロイド・免疫抑制薬
- 結核、肝炎、帯状疱疹などの既往
- ワクチン歴
2.皮膚外用薬
剤形の使い分け
| 剤形 | 特徴 | 向いている状態 |
|---|---|---|
| 軟膏 | 刺激が少なく、保護作用が高い | 乾燥、亀裂、慢性病変 |
| クリーム | 伸びがよく使用感が軽い | 比較的広い範囲 |
| ローション | 毛のある部位にも塗りやすい | 頭皮、広範囲 |
ステロイド外用薬は「強い薬だから危険」と一括りにせず、以下を組み合わせて考える。
- 強さ
- 塗布部位
- 塗布量
- 使用期間
- 年齢
- 皮膚の状態
- 密封の有無
顔面・眼周囲・陰部などは吸収が大きくなりやすい。広範囲への長期使用や密封では全身作用にも注意する。日本皮膚科学会はアトピー性皮膚炎診療ガイドライン2024年版などを公開している。日本皮膚科学会
観察項目
- 発赤・腫脹・滲出液
- 病変範囲
- 皮膚萎縮、毛細血管拡張
- 感染徴候
- 塗布量・回数・部位
- 患者が実際にどのように塗っているか
3.重症薬疹・薬剤性障害
ここは領域70で、この回の中では唯一A臨床型になる。
危険徴候
- 発熱を伴う広範な皮疹
- 皮膚の痛み
- 水疱、びらん、表皮剝離
- 口唇・口腔・眼・外陰部などの粘膜病変
- 眼痛、充血、羞明
- 顔面浮腫
- 呼吸困難
- 肝機能・腎機能などの臓器障害
特に、
皮疹+発熱+粘膜病変
は、単なるアレルギー性発疹として経過を見てはいけない。
SJS/TEN、薬剤性過敏症症候群、急性汎発性発疹性膿疱症などを疑い、追加投与を漫然と継続せず、直ちに医師へ報告して緊急評価につなぐ。開始直後の薬だけでなく、数週間前に開始した薬、頓用薬、一般用医薬品・サプリメントまで確認する。厚生労働省・重篤副作用疾患別対応マニュアル
4.眼科・耳鼻科用薬
点眼の基本手技
- 手を洗う
- 下眼瞼を軽く引く
- 容器先端を眼・睫毛・皮膚に触れさせず1滴点眼する
- 強くまばたきせず、静かに閉眼する
- 目頭付近を軽く圧迫する
- 複数の点眼薬は原則として5分程度あける
- 眼軟膏を併用する場合は、通常は眼軟膏を最後にする
点眼薬は局所薬だが、鼻涙管を経て全身に移行する。β遮断薬点眼では徐脈や気管支収縮などに注意する。点眼後の閉眼・涙点付近の圧迫は、全身移行を減らす意味もある。点眼方法の解説
耳鼻科用薬は、点鼻血管収縮薬の連用による反跳性鼻閉を短く扱う。
5.性ホルモン・避妊薬
| 薬効群 | 主な目的 | 重要なリスク・観察 |
|---|---|---|
| エストロゲン・プロゲスチン配合薬 | 避妊、月経困難症など | 血栓症、血圧、頭痛、喫煙歴 |
| プロゲスチン製剤 | 月経異常、子宮内膜症など | 不正出血、服薬継続 |
| GnRHアゴニスト・アンタゴニスト | 性腺刺激ホルモン分泌を調節 | ほてり、骨量低下など |
| アンドロゲン関連薬 | 男性性腺機能などへの治療 | 肝機能、前立腺、血球など |
OC・LEPでは、治療目的とともに血栓症リスクを理解させる。片側下肢の腫脹・疼痛、突然の胸痛・呼吸困難、激しい頭痛、視覚異常などは緊急評価につなぐ。Minds「OC・LEPガイドライン」
6.不妊治療薬
大きな流れで整理する。
FSH・hMG製剤
→ 卵胞発育を促進する
hCG製剤
→ LH様作用により排卵を誘発する
GnRHアゴニスト・アンタゴニスト
→ LHサージや排卵時期を調節する
プロゲステロン製剤
→ 黄体期・子宮内膜を支える
重要な有害事象は、卵巣過剰刺激症候群(OHSS)である。
OHSSを疑う症状
- 腹部膨満
- 下腹部痛
- 急激な体重増加
- 悪心・嘔吐
- 尿量減少
- 呼吸困難
- 浮腫
PMDAのマニュアルでも、腹部膨満、腹痛、急な体重増加、尿量減少などが初期症状として挙げられている。PMDA・OHSS対応マニュアル