01
対面授業
90分の構成
| 時間 | 内容 | 方法 |
|---|---|---|
| 0~8分 | 事前学習確認 | クイズ |
| 8~25分 | 薬の作用点 | 薬剤分類ワーク |
| 25~43分 | 作動薬と遮断薬 | 症例A |
| 43~60分 | 濃度と効果 | 用量反応の図 |
| 60~75分 | 選択性と有害事象 | 症例B |
| 75~87分 | 統合ワーク | 5種類の薬を比較 |
| 87~90分 | Exit Ticket | 個人記述 |
0~8分|事前学習確認
問題
- 薬の主な作用点を四つ挙げよ
- 作動薬と遮断薬の違いは何か
- 薬の濃度を上げれば、効果は無限に大きくなるか
解説は短くし、対面ワークへ進む。
8~25分|作用点を見分ける
薬剤分類ワーク
| 薬剤 | 薬が作用するもの |
|---|---|
| サルブタモール | β₂受容体 |
| エナラプリル | ACE |
| アムロジピン | L型Caチャネル |
| ダパグリフロジン | SGLT2 |
| ナロキソン | オピオイド受容体 |
学生に、次の4種類へ分類させる。
- 受容体
- 酵素
- イオンチャネル
- トランスポーター
教員からの問い
作用点の名前が分かると、患者に起こる変化まで説明できるか。
薬剤名と作用点を結びつけるだけでは不十分で、次の流れが必要になる。
薬
↓
作用点
↓
細胞・臓器の変化
↓
治療効果・有害事象
25~43分|作動薬と遮断薬
症例A
72歳男性。手術後にオピオイド鎮痛薬を使用している。呼びかけへの反応が弱く、呼吸数が低下している。医師の指示によりナロキソンが投与された。
問1|オピオイドによって何が起きているか
オピオイド受容体刺激
↓
中枢神経活動抑制
↓
鎮痛
作用が強く出ると、
呼吸中枢抑制
↓
呼吸数・換気量低下
につながる。
問2|ナロキソンは何をするか
ナロキソン
↓
オピオイド受容体を遮断
↓
オピオイドの作用を弱める
その結果、
- 呼吸抑制の改善
- 意識状態の改善
が期待される一方、
- 鎮痛作用の減弱
- 疼痛の再出現
も起こり得る。
観察項目
- 呼吸数
- 呼吸の深さ
- SpO₂
- 意識状態
- 疼痛
- 投与したオピオイドの種類・時刻
- ナロキソン投与後の再変化
遮断薬は「有害作用だけ」を選択的に消すとは限らない
ことを理解させる。
43~60分|濃度と効果
用量反応曲線
横軸に薬物濃度、縦軸に効果を置く。
学生に次を読み取らせる。
- 濃度が上がると効果が大きくなる
- 一定以上では効果が頭打ちになる
- 効果が出始める濃度がある
- 有害事象も濃度上昇とともに起こりやすくなる
問い
効果が不十分なとき、単純に薬を増量すればよいか。
検討する内容として、次を挙げる。
- 服薬できているか
- 投与経路は適切か
- 作用点は病態に合っているか
- 増量による有害事象
- 併用薬
- 腎機能・肝機能
- 年齢や体格
60~75分|選択性と有害事象
症例B
気管支喘息患者がサルブタモール吸入薬を使用した。呼吸は楽になったが、手の震えと動悸が出現した。
問1|治療効果はなぜ起こったか
β₂受容体刺激
↓
気管支平滑筋弛緩
↓
気管支拡張
↓
呼吸困難改善
問2|なぜ手の震えや動悸が起こるのか
薬は目的の組織だけに完全に限定して作用するわけではない。
- 骨格筋などのβ₂受容体刺激 → 振戦
- 全身への作用や心血管系への影響 → 動悸、頻脈など
選択性の整理
選択性があることと、目的外の作用がまったく起きないことは同じではない
選択性は用量や濃度によっても変化し得る。
75~87分|統合ワーク
共通ワークシート
| 薬剤 | 作用点 | 作用の仕方 | 体の変化 | 治療効果・注意点 |
|---|---|---|---|---|
| サルブタモール | β₂受容体 | 作動 | ||
| ナロキソン | オピオイド受容体 | 遮断 | ||
| エナラプリル | ACE | 阻害 | ||
| アムロジピン | L型Caチャネル | 遮断 | ||
| ダパグリフロジン | SGLT2 | 阻害 |
すべてを暗記させるのではなく、一つの薬について次の文章を完成させる。
この薬は( )に作用し、( )を変化させる。その結果、( )という治療効果が得られる。一方、作用が強く現れると( )が起こる可能性がある。
87~90分|Exit Ticket
「薬の副作用は、薬の本来の作用とは関係なく起こる」と言い切れないのはなぜか。例を一つ挙げて説明せよ。
解答例
アムロジピンでは、血管を拡張する作用によって血圧が低下する。一方、同じ血管拡張作用が強く現れると、低血圧やふらつきが起こるため、副作用も薬理作用から生じることがある。