脳卒中急性期・再発予防薬
Slide 6|血栓溶解薬:アルテプラーゼ
作用機序を図で示す。
アルテプラーゼ(rt-PA)
↓
プラスミノゲンをプラスミンへ変換
↓
フィブリンを分解
↓
血栓を溶解して血流を再開させる
国内では、虚血性脳血管障害に対して原則として発症後4.5時間以内に投与を開始する。効果は時間とともに低下するため、適応判断と投与を迅速に行う必要がある。PMDA:アルテプラーゼ添付文書
重要な副作用は頭蓋内出血を含む重篤な出血である。
Slide 12|非心原性脳梗塞:抗血小板薬
代表薬と作用点を簡潔に整理する。
| 薬 | 主な作用 |
|---|---|
| アスピリン | COX-1阻害→TXA₂産生低下 |
| クロピドグレル | P2Y₁₂受容体遮断→ADPによる血小板凝集を抑制 |
| シロスタゾール | PDE3阻害→血小板内cAMP増加 |
| プラスグレル | P2Y₁₂受容体遮断 |
非心原性脳梗塞の再発予防では、抗血小板薬が基本となる。アスピリン、クロピドグレル、シロスタゾールなどが国内指針で位置づけられている。J-STAGE:脳卒中ガイドライン2021〔改訂2025〕解説
なお、2剤併用はすべての患者に長期間行う治療ではない。軽症脳梗塞や一過性脳虚血発作など、選択された患者の早期に期間を限定して使用される。
Slide 13|心原性脳塞栓症:抗凝固薬
心房細動では心房内で血液がうっ滞し、フィブリンを主体とする血栓が形成される。
| 薬効群 | 作用 |
|---|---|
| ダビガトラン | トロンビンを直接阻害 |
| アピキサバン、エドキサバン、リバーロキサバン | 第Xa因子を阻害 |
| ワルファリン | ビタミンK依存性凝固因子の合成を抑制 |
心原性脳塞栓症の再発予防では、抗血小板薬ではなく抗凝固薬が基本となる。J-STAGE:抗血栓薬の適正使用と中和療法
機械弁やリウマチ性僧帽弁狭窄症などでは、DOACではなくワルファリンが必要となる。
最終まとめスライド
脳卒中治療薬を見たら考えること
① 詰まったのか、出血したのか
↓
② 今ある血栓を溶かすのか、次の血栓を防ぐのか
↓
③ 血小板を抑えるのか、凝固系を抑えるのか
↓
④ 効果と同時に、どこからの出血を観察するのか
この事前学習の後、対面授業では症例を使って、発症時刻、画像所見、心房細動の有無、服用中の抗血栓薬、腎機能、出血徴候などから薬物療法を考えさせる構成がよい。現行の国内指針は『脳卒中治療ガイドライン2021〔改訂2025〕』である。日本脳卒中学会