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第15回|妊娠・小児・高齢者・先端治療と総合症例
第15回は、A臨床型を中心に15回の学習を統合する回とする。新しい薬剤を大量に追加するのではなく、同じ薬でも妊娠、小児、高齢者ではリスクと観察点が変わることを症例で考える。
なお、領域74~78がすべてAではない。正確には、Aが3領域、BとCが各1領域である。
| 領域 | 分類 | この回での到達点 |
|---|---|---|
| 74 妊娠・分娩に用いる薬 | A | 母体と胎児を同時に観察する |
| 75 妊娠・授乳と薬物 | B | リスクと治療利益を比較する |
| 76 小児の薬物療法 | A | 体重換算・剤形・投与誤差を防ぐ |
| 77 高齢者の薬物療法・ポリファーマシー | A | 転倒・せん妄・低血糖などを薬から考える |
| 78 酵素補充・遺伝子治療・再生医療 | C | 治療概念と長期観察の必要性を理解する |
この回の中心メッセージ
薬剤名だけで患者をみるのではなく、年齢、妊娠・授乳、体重、腎機能、生活機能、投与方法を含めて評価する。
事前授業
第15回の事前学習は、完全な新規講義ではなく、既習領域の弱点確認+ライフステージによる違いの準備とする。
所要時間は15~20分程度とする。
到達目標
事前学習後、次を説明できればよい。
- 妊娠中の薬物使用を「薬を使った/使わなかった」だけで評価できない理由
- 小児用量で体重と製剤濃度の確認が必要な理由
- 高齢者で薬物有害事象が起こりやすい理由
- ポリファーマシーが単なる薬剤数の問題ではないこと
- 酵素補充療法・遺伝子治療・再生医療の基本的な違い
事前学習スライド構成
| 枚 | 内容 | 学生に残すポイント |
|---|---|---|
| 1 | 第15回の位置づけ | 15回で学んだ薬理学を患者背景に適用する |
| 2 | ライフステージと薬物療法 | 同じ薬でも効果・リスクが変わる |
| 3 | 妊娠による薬物動態の変化 | 循環血液量、腎血流、代謝などが変化する |
| 4 | 胎盤移行と妊娠時期 | 胎盤移行だけで有害性は決まらない |
| 5 | 妊娠中のリスク・ベネフィット | 薬のリスクと未治療疾患のリスクを比較する |
| 6 | 授乳と薬 | 乳汁移行量、児の月齢・状態、薬の性質を見る |
| 7 | 小児の薬物動態 | 臓器機能が発達途中で、成人の縮小版ではない |
| 8 | 小児用量の計算 | mg/kg/回とmg/kg/日を区別する |
| 9 | 小児の投与誤差 | 体重、濃度、単位、計量器具を確認する |
| 10 | 高齢者の薬物動態 | 腎機能、肝機能、体水分量、筋肉量が変化する |
| 11 | ポリファーマシー | 薬剤数ではなく有害事象・相互作用・服薬困難が問題 |
| 12 | 先端治療の3分類 | 補う、遺伝子に働きかける、細胞・組織を利用する |
| 13 | 総合アセスメントの6問 | 適応、効果、有害事象、患者背景、投与方法、継続可能性 |
| 14 | 事前確認問題 | 弱点を確認して対面授業へつなぐ |
事前確認問題例
- 妊娠が判明した患者が服薬を自己中断してはいけないのはなぜか。
- 「30 mg/kg/日、1日3回」と「30 mg/kg/回」の違いを説明せよ。
- 高齢者では血清クレアチニンが正常でも腎機能が低下していることがあるのはなぜか。
- ポリファーマシーを薬剤数だけで判断できない理由を述べよ。
- 酵素補充療法と遺伝子治療の違いを述べよ。
厚生労働省も、妊娠判明時に自己判断で薬を中断せず、医師または薬剤師に相談するよう注意喚起している。厚生労働省「妊娠と薬」