11
3.脳卒中急性期・再発予防薬
急性脳卒中で最初に必要な情報
- 最終健常確認時刻
- 症状を発見した時刻
- 意識状態
- 麻痺
- 構音・言語障害
- 視野・眼球偏倚
- 血圧
- 血糖
- 抗凝固薬・抗血小板薬
- 最近の手術・出血
- 転倒・頭部外傷
低血糖でも麻痺や意識障害に似た症状が起こり得るため、血糖確認が必要になる。
治療方向
| 病態・時期 | 主な治療の方向 |
|---|---|
| 急性脳梗塞 | 血栓溶解療法、機械的血栓回収療法など |
| 非心原性脳梗塞の再発予防 | 抗血小板療法 |
| 心房細動による脳塞栓症の再発予防 | 抗凝固療法 |
| 脳出血 | 血圧管理、抗凝固作用の是正など |
脳梗塞か脳出血かは症状だけでは確定できない。画像診断前に「脳梗塞だろう」と決めつけて抗血栓薬を投与するのは危険である。
治療後に観察すること
- 意識、麻痺、言語の変化
- 頭痛、悪心・嘔吐
- 血圧
- 穿刺部位
- 鼻出血、血尿、消化管出血
- 神経症状の再悪化
治療後の急な頭痛、嘔吐、意識低下は、頭蓋内出血などを考えて速やかに報告する。
4.てんかん・抗発作薬
現在は「抗てんかん薬」に代えて、発作を抑制する目的を明確にした抗発作薬という呼び方も用いられる。
薬の主な作用方向
- Naチャネルを抑制する
- Caチャネルを調節する
- GABA作用を増強する
- グルタミン酸作用を抑制する
- シナプス小胞放出を調節する
薬剤ごとに異なる重要副作用
- 眠気、ふらつき
- 皮疹、重症薬疹
- 肝機能障害
- 血球減少
- 低Na血症
- 精神・行動変化
- 妊娠・胎児への影響
- 薬物相互作用
発作中の対応
- 発作開始時刻を確認する
- 周囲の危険物を除く
- 頭部を保護する
- 無理に押さえつけない
- 口に物や指を入れない
- 呼吸、チアノーゼを観察する
- 眼球・頭部の偏倚、四肢の動きを観察する
- 可能な範囲で安全な体位を確保する
けいれんが5分以上続く、または意識が回復しないまま反復する場合は、てんかん重積状態を考えて緊急対応につなげる。
発作後の観察
- 意識がどこまで回復したか
- 呼吸、SpO₂
- 麻痺・言語障害
- 外傷
- 舌咬傷
- 尿失禁
- 血糖
- 発熱
- 服薬状況
- 睡眠不足、飲酒、感染などの誘因
5.Parkinson病治療薬
Parkinson病の基本
黒質ドパミン神経の変性
↓
線条体ドパミン低下
↓
運動調節の障害
↓
動作緩慢、筋強剛、振戦、姿勢保持障害
治療薬の整理
| 薬効群 | 主な作用 | 注意点 |
|---|---|---|
| レボドパ+末梢性脱炭酸酵素阻害薬 | 中枢のドパミンを補う | wearing-off、ジスキネジア、悪心、低血圧 |
| ドパミン受容体作動薬 | ドパミン受容体を刺激 | 眠気、突発的睡眠、幻覚、衝動制御障害 |
| MAO-B阻害薬 | ドパミン分解を抑える | 相互作用、ジスキネジア |
| COMT阻害薬 | レボドパ作用を延長する | ジスキネジア、下痢など |
| アマンタジン | ドパミン系などに作用 | 幻覚、網状皮斑、腎機能 |
| 抗コリン薬 | コリン系とのバランスを調整 | 口渇、便秘、尿閉、認知機能 |
on–offとwearing-off
wearing-off
薬効持続時間が短くなり、次の服薬前に症状が悪化する。
on–off
服薬時刻だけでは説明できない、急激な運動状態の変動がみられる。
重要なのは、「歩けない」という結果だけでなく、
- 服薬時刻
- 食事時刻
- 動けた時刻
- 動けなくなった時刻
- ジスキネジア
- 起立性低血圧
- 幻覚