01

01 全体設計

項目内容
テーマ薬が効く仕組み
分類C基礎型+臨床への導入
事前授業約15分、スライド15枚程度
対面授業90分
小テスト8~10分、10点
中心概念作用点、作動薬、遮断薬、濃度と効果、選択性、治療効果と有害事象

事前授業

到達目標

  1. 薬の主な作用点を4種類に分類できる
  1. 作動薬と遮断薬の違いを説明できる
  1. 薬の濃度と効果の基本的な関係を説明できる
  1. 治療効果と有害事象が薬理作用から生じることを説明できる

スライド構成

Slide 1|タイトル

01 薬が効く仕組み
サブタイトル:
薬は体の「どこ」に「何をする」のか

Slide 2|今回のゴール

薬剤名を覚える前に、薬がどこに作用し、体をどう変えるかを理解する
事前授業では基本用語、対面授業では事例を使って考えると示す。

Slide 3|薬が効くまでの流れ

薬を投与する
作用する場所へ届く
標的分子と相互作用する
細胞・組織の働きが変わる
症状や検査値が変化する
この回では、主に「作用する場所へ届いた後」を扱う。

Slide 4|薬の主な作用点

作用点役割
受容体情報を受け取る
酵素化学反応を進める
イオンチャネルイオンの通り道になる
トランスポーター物質を運ぶ
この4種類を最初の地図にする。

Slide 5|受容体とは

ホルモンや神経伝達物質などの情報を受け取る分子
情報伝達物質が受容体に結合
細胞内へ情報が伝わる
細胞の働きが変化する
鍵と鍵穴の比喩は使えるが、「一つの鍵が一つの鍵穴にしか結合しない」と誤解させないようにする。

Slide 6|作動薬

作動薬(アゴニスト)
受容体に結合し、生体内物質と同じ方向の作用を起こす薬
例:
サルブタモール
β₂受容体刺激
気管支平滑筋弛緩
気管支拡張

Slide 7|遮断薬

遮断薬(アンタゴニスト)
受容体に結合するが、受容体を活性化せず、他の物質の作用を妨げる薬
例:
β遮断薬
β₁受容体に対する交感神経作用を抑える
心拍数・心収縮力低下

Slide 8|部分作動薬

受容体を活性化するが、完全作動薬より作用の最大値が小さい薬
事前段階では概念だけにする。
  • 作動薬
  • 部分作動薬
  • 遮断薬
を作用の強さの図で示す。

Slide 9|酵素に作用する薬

酵素の働きを抑え、体内で作られる物質の量を変える
例:
ACE阻害薬
ACEを阻害
Ang II生成低下
血管収縮低下

Slide 10|イオンチャネルに作用する薬

Na⁺、Ca²⁺、K⁺などの通り道を開閉する
例:
Ca拮抗薬
L型Caチャネル遮断
血管平滑筋へのCa流入低下
血管拡張

Slide 11|トランスポーターに作用する薬

細胞膜を介して物質を運ぶ仕組みに作用する
例:
SGLT2阻害薬
腎臓での糖再吸収抑制
尿中への糖排泄増加

Slide 12|薬の量・濃度と効果

基本的には、
薬の濃度上昇
作用する標的の増加
効果増強
となる。
ただし、効果は無限に増えるわけではなく、最大効果に近づくと頭打ちになる。

Slide 13|効果が強いことと、少量で効くこと

  • 最大効果が大きい:どこまで大きな効果を出せるか
  • 効力が高い:より低い濃度で効果が出るか
「少量で効く薬が、必ず優れた薬とは限らない」と示す。

Slide 14|治療効果と有害事象

薬の作用によって生じる変化には両面がある。
例:
血管拡張
  • 目的とする作用:血圧低下
  • 困る作用:低血圧、めまい
  • 別の現れ方:頭痛、浮腫など
治療効果と有害事象は、まったく別の仕組みとは限らない

Slide 15|事前学習のまとめ

  1. 薬には作用点がある
  1. 主な作用点は、受容体・酵素・イオンチャネル・トランスポーターである
  1. 作動薬は受容体を活性化し、遮断薬は作用を妨げる
  1. 薬の濃度によって効果の大きさが変わる
  1. 同じ薬理作用が治療効果と有害事象の両方につながることがある
最後に問いを残す。
同じ薬を使っても、なぜ患者によって効き方が違うのだろうか。