SU薬・グリニド薬
SU薬は膵β細胞からのインスリン分泌を促進して血糖を下げる薬効群です。効果は強い一方、低血糖(とくに高齢者・腎機能低下・食事摂取不良時)が最大の安全課題です。
※このページは「SU薬」を主に扱います(同じ“インスリン分泌促進”でも、グリニド薬は作用時間が短く運用が異なるため、必要に応じて別立てでも整理できます)。
SU薬
SU薬は説明として、開発順に「世代」で整理されることがあります。臨床では、それに加えて「どのくらい長く効いて低血糖が遷延しうるか」で見立てると安全管理に直結します。
グリニド薬(SU薬とは別分類だが、同じ“分泌促進”として比較されやすい)
- 代表薬:レパグリニド など
- 特徴:食直前投与で食後高血糖を狙う。SU薬に比べると低血糖が遷延しにくい設計だが、食事が入らないと低血糖は起こりうる
- 最重要リスク:低血糖(冷汗、動悸、手指振戦、強い空腹感、眠気、ぼんやり、錯乱、けいれん、意識障害) 高齢者では症状が非典型(元気がない・眠い・ふらつく等)になりやすい
- 次に重要:体重増加
- 高齢者での注意:低血糖が重症化しやすく、転倒やせん妄の原因にもなる。少量開始・増量は慎重に
- 腎機能/肝機能:腎機能低下で低血糖リスクが上がる(必要量が下がる/遷延しやすくなる)。腎機能変化時は血糖と症状で早めに見直す
- 相互作用(併用注意):食事摂取量低下、飲酒、感染/炎症の改善、ステロイド減量、他の糖尿病薬追加などで血糖が変動。β遮断薬などで低血糖症状が気づきにくくなることがある
- 開始時/増量時:血糖推移、食事量、低血糖症状(夜間も含む)
- RF:食事摂取不良時:低血糖が最も起こりやすい(食事が入らないのに“いつもの量”が入る)。一時中止/減量の判断は処方設計に従う
- 高齢者:ふらつき・転倒、せん妄様の変化は低血糖の可能性も考える
- 腎機能変化時:同じ投与量でも低血糖が増えたら腎機能低下も疑う
- 夜間:寝汗、悪夢、起床時の頭痛/だるさ、朝の高血糖などは夜間低血糖を疑う
- Evidence Library:糖尿病診療ガイドライン、低血糖対策、高齢者の医薬品適正使用(総論/各論)など
- 添付文書:各SU薬/グリニド薬(低血糖、用法用量、腎機能時の注意)